026 汚染された泉は想像以上に酷かった
「・・・・・・ひっどい・・・・・」
ついた先の光景を見て、私はマスクをしているのに思わず口と鼻を押えた。
広い広い泉だった。
でもその色に水の透明度は全くなく、赤紫色だった。
泉の周りには草はなく、近くの木々も枯れかけてた。
嫌な靄も立ち込めてて、向こうが見えない。
「元は本当に美しい泉だったんだ。なのに今は・・・・っ」
「やっぱりアタシがあの時、あんな事しなければ・・・」
「あんな事?」
クリスタルさんの言い方が気になった。
ただスカウトされたのを断っただけでしょ?
それをくそ冒険者達が逆恨みしてこんな事・・。
「アタシが奴らのリーダーを投げ飛ばしたんです・・」
「投げ飛ばした!?」
そりゃまたいったいどうして?
「そいつが・・・アタシが誘いを断った時にいきなり抱き付いてきて・・・」
スカウトを断ったら、リーダーの男がクリスタルさんに抱き付いて「俺について来ればいい思いさせてやるぜ?」と胸を揉んできた・・との事。
「それで思わずそいつを投げ飛ばしたら近くの岩に激突して・・・それで奴らは腹いせに泉を・・・」
「・・・・・・・・・・・・何、それ・・・」
私は手をぷるぷるさせた。
怒りで、だ。
「何その腐れ冒険者達!!!!それただのセクハラじゃん!さいってー!!!クリスタルさんは悪くないよ!むしろ正しいよ!!」
「え、え・・・?」
「そんなセクハラ野郎、投げ飛ばして正解だよ!!いっちばん悪いのはそのくそ冒険者達だよ!!!いや、冒険者名乗る資格ゼロだよゼロ!!クリスタルさんが責任感じる事なんてぜんっぜんないよ!!!」
「リタ・・・さん・・・・」
私は気づいたらクリスタルさんの両手を握って、ふんっと鼻息荒くしてた。
怒りのあまり、また興奮してしまった。
「あ・・・・・。ご、ごめんなさい・・またつい・・・・」
それに気づいて、私はぱっとクリスタルさんから離れた。
またやっちゃった・・・。
どうして私ってこう怒ると止まらなくなるんだろう・・・!
「・・・・・ぷっふふふふっあはははっ」
ぺこぺこ頭を下げる私。
そしたらクリスタルさんが大声で笑い始めた。
呆気に取られてたマイムさんも村長さんも笑い始める。
「あははははっ・・・はー・・ありがとうリタさん。何だかもやもやしてた気持ちがスッキリしちゃったよ」
笑いすぎて滲んだ涙を拭うクリスタルさん。
ま、まあスッキリしたのなら、結果オーライか!
「マイム、アタシも彼女を信じてみるわ。たとえうまく行かなくても、彼女を責めはしない」
「クリスタル・・」
「他人の、違う種族にも関わらずまるで自分の事のように怒ってくれた。そんな人が悪い奴なわけないものね」
「ああ、そのとおりだ」
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