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小話 リタ、熱を出す

これはリタが村に住み始めてすぐのお話です



何だか、ふらふらする・・・。

頭の中に靄がかかってるような・・・駄目だ、うまく頭が働かない。

それに、体も重くて・・上手く動けない・・。

何でだろう・・・?



「風邪だね。おそらく環境が変わった影響と疲れから熱が出たんだろう。心配はない」


リバーの言葉に、マイム達は安堵の息を吐いた。

今朝、中々起きてないリタに珍しいなと思った。

レイニーがリタを起こしに行って、しばらくした後レイニーが慌てて泣きそうな顔で「お姉ちゃんが!お姉ちゃんが!!」と叫ぶので、部屋に行ったらリタが真っ赤な顔でうなされていたので、マイムは血の気が下がるのを感じた。


急いでマイムはリバーの所へ行って、朝食の途中だった彼の首根っこを掴んで連れてきた。

リバーも苦しそうなリタの姿に、すぐに医者の顔になりマイム達を部屋から出して診察を始めた。



村長(むらおさ)の家の前では尋常でない様子だったマイムの姿を目撃した村人達が集まっていた。

皆、「リタ様に何かあったんじゃ・・」と心配している。

そんな彼らに村長(むらおさ)がただの風邪ですぐに治ると告げ、村人達もほっとしていた。



「うう・・・風邪なんて久しぶりだなぁ~・・・」


孤児院にいた時も風邪なんて片手で数えるくらいしかなかったなぁ。

風邪ひいてる暇ないくらい、小さい子達の世話があったし。

でも熱を出した時、院長先生がつきっきりで看病してくれたっけ・・。


『はいリタ。これを飲んで温かくしていたらすぐに元気になりますよ』


院長先生はそう言って、蜂蜜を入れたホットミルクを作ってくれた。

とても美味しかったなぁ・・。

また、飲みたい、なぁ・・・・。

・・・・院長先生・・・・。






あれ?

おでこがひんやり気持ちい・・・。

なんだろ・・?



「はえ・・・?」

「あ、すまない・・起こしたか?」

「あ、マイム・・」


どうやらマイムがおでこを触って熱を測っていたよう。


「マイムの手・・ひんやり気持ちよかったぁ~・・」

「っ・・そ、そうか・・・。そ、その体が温まるよう、これを持ってきたんだが・・飲めそうか?」

「はれ?」


マイムが見せたのは、マグカップ。

その中には真っ白い飲み物が・・。


「・・・ホットミルク?」

「ああ。栄養価も高い蜂蜜も入れてみたんだが・・」

「・・・・・・・・・・マイム、すごい・・」

「え?」

「ううん、何でもない・・。ありがとう」


マイム、私の気持ちが伝わったんだろうか?

まさに飲みたいと思っていたものが・・。


私はマグカップを受け取り、ホットミルクを一口。


「・・・・・・・・おいしい」


口の中に広がるミルクと蜂蜜のほのかな甘さ。

まるで院長先生が作ってくれたホットミルクのようだ。


ちょっと、熱の所為か寂しくて院長先生に会いたくなっちゃった。

でも、マイム達がいるから寂しい気持ちはどっかにいった。

きっと、この蜂蜜入りホットミルクのお陰だろう。


ありがとう、マイム。





「何だ・・この山は?」


ホットミルクを飲み終えて、再び眠り始めたリタを起こさないようマグカップを持って部屋を出たマイム。

台所に戻ると、テーブルの上には山のような木の実や野菜が積まれていた。


「村の人達がお姉ちゃんにって持ってきたの」


これもそう、と大きな箱を抱えてレイニーが台所に入った。

箱の中は水分が多く含まれた果物が詰まってる。


「こんなに食える訳ないだろう・・・」

「でも、村の皆がお姉ちゃんを心配してるって事だよね」

「・・・・・そうだな・・・・」


マイムは苦笑しながらも、これらの食材でリタが食べやすいようどんなメニューにするか考えた。




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