0102 仮面の男
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「ワイバーンの群れだと?」
ホムラが空を見上げ、モンスターの名を言った。
「わ、ワイバーン!?」
ワイバーン。
今日、マイム達が狩りに行ったジャイアントバードと同じレベルBのモンスターだ。
尻尾の先が槍のように尖っていて、たしか猛毒を持っている・・!
な、何でその群れがここに?
「どういう事だ?何でモンスターがこんな近くに現れるんだよ?」
アカネさんが困惑したようにワイバーンの群れを見上げる。
隣にいるロカさんもアカネさんの言葉に同意するように頷いた。
「確かに可笑しいです。この国は王族御用達の結界とモンスター避けの魔道具によってモンスターはこの国に近づくことすらできない筈なのに・・」
「確かに変だ」
「でも結界のお陰でワイバーンの群れは立ち往生していますわ~」
ツバキさんが眉を寄せる一方、サザンカさんは慌てる様子もなく空を指差す。
そこでは見えない壁にワイバーン達が尻尾や尖った嘴で攻撃していた。
きっと結界を破ろうとしているのだろう。
「無駄無駄~!豊富な報酬金と共に王族から譲ってもらった魔道具だもんね~レベルBのモンスターごときに破られるわけないよ~!」
モミジちゃんがべーっとワイバーンに向けて舌を出した。
でも私が気になったのはシャクヤクさんとマイムだ。
戦闘種族とだけあって、奥さん達も他のオーガ族達も、ホムラさんも特に慌ててる様子はない。
でもシャクヤクさんは難しそうな顔をしてワイバーンを見上げてる。
マイムも、剣を構えたまま眉を寄せてワイバーンを睨んでる。
いや
二人とも、ワイバーンを見ていない・・?
ある一点を見てる?
私がそれが気になって二人が見つめる先を見上げた。
「あれ・・・・?」
ワイバーンの群れの中心。
一匹だけリーダーなのか、大きなワイバーンがいた。
よーく見てみると、そのワイバーンの上に誰か立ってる?
『!彼奴は・・!!!』
「む、ムゼンさん?」
腕の中のムゼンさんが突然毛を逆立てた。
私は周りにばれないように心の中でムゼンさんと話した。
「(急にどうしたのムゼンさん?)」
『彼奴だ!間違いない!まさかここで再開するとは・・!!』
「(アイツって、何言ってるのムゼンさん?)」
『我に呪いをかけた仮面の男だ!!』
「(え!?)」
『間違いない!あの仮面、忘れはしない!!』
ムゼンさんがぐるる、と唸ってワイバーンの上に立ってる人を睨んでいた。
あの人が、ムゼンさんに呪いを・・・。
「・・・・・・・・・・・やはり今のこいつらでは結界を破るのは無理か・・・」
仮面の男は、静かに呟くと自分が乗るワイバーンに命令する。
やはりリーダー格であるワイバーンがきしゃああ!と鳴き声を上げると、結界を破ろうとしていたワイバーン達が動きを止めた。
「・・・・・・・・まさかあの者が・・・」
シャクヤクの脳裏に浮かぶのは、炎。
炎の中に、ヤシャ国が映りその国を禍々しい何かが覆っていく。
シャクヤクはぎゅ、と団扇を握りしめた。
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