ローアル・side story/僕の本当の幸福は⑤
暗く冷たい牢の中で僕はついに復讐を誓った。
牢から解放されると僕は命など既にどうでも良かった。
冷静にエスピーナの悪事の証拠を揃え、地下に監禁された貴族令嬢や少女たちを解放し、その悍ましい事実、父親のアウトリタ皇帝を弑逆し、フォンセ副団長を闇に葬ったこと、宰相や国庫長を処刑したこと、高い税で市民を苦しめたこと、潔白な臣下や女官たちを暗殺したこと、エスピーナに癒着したトルメンタ帝国の貴族の腐敗などを、洗いざらい全国民に暴露した。
トルメンタ帝国の後ろ暗い悪事は…僕も協力したと伝わるように噂を流した。
ありとあらゆる悪事を国中に広めたことで、次々と反乱が起こった。
そして———
「殺せー!!残虐非道な皇帝と、その愛人の卑しい皇子を殺せ!!」
死刑場でトルメンタの民は僕らに石を投げ、声を高らかに処刑を叫んだ。
ギロチンの先に転がっている、すでに斬首されたエスピーナの首を見て笑いが込み上げる。
あの女が死んだ。エステレラを殺した女が。
ざまあみろ。
お前のためになんて、死んだって泣いてやらない。
もうすぐで僕の復讐が終わる。
唯一心残りだったのは、エステレラの死後すぐにあのディー・ハザック・ストレーガが不審死したということだけ……
でも、もう今はそんなことどうでもいい。
僕はもうすぐ死ぬ。
…もし……
もし、願いが叶うなら…
もう一度生まれ変わって、またエステレラの側にいたい………




