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ローアル・side story/僕の本当の幸福は③




 「ローアル。あなたは優しいわね。ずっとそばにいてね。」



 皇帝が亡くなってからというもの、僕は連日のようにエスピーナの部屋に呼ばれるようになった。


 「…陛下。少しお休みになられては。」


 流石の彼女も父親が亡くなり、胸を痛めているようで、食欲もなくベッドに伏せっていた。


 青白い顔をして、しきりに僕がそばにいることを確認するので、とても冷たく接することはできず、結局彼女が眠りつくまでそばにいた。


 それでも僕はエスピーナの側にいながらも、心はずっとエステレラのことを考えていた。


 ケガは大丈夫だったんだろうか?


 会いたい。


 声を聞きたい。


 この皇宮に渦巻く下らない噂なんて嘘だって君の口から聞いて、それから君をこの手に抱きしめたい。


 …僕がエスピーナの命令を強く否定できないのには理由があった。


 今はしおらしい彼女だけど、僕はその本質を知っている。

 例え今はエステレラを城から追い出すことはしなくても、いつ何を仕向けるかは全く分からない。

 常に疑いの目は持つべきだ。


 これまでは、亡くなったアウトリタ皇帝陛下が僕に接触しないようにしてくれていたおかげで、今まで何とか彼女に会わずに済んだ。


 でも彼が亡くなり、皇女が皇帝になった今…何の後ろ盾もないエステレラにいつ凶暴な刃が向けられるか分からない。


 結局僕に執着しているエスピーナからエステレラを守るためには、多少無理でも彼女の命令を聞いておく必要がある。


 こう言っては気の毒だけれどフォンセ副団長が亡くなってから剣を握る機会が増えた。


 爵位を賜ったのを機にいっそう騎士団入りのための鍛錬に励み、少しでも早く試験を突破して騎士団に入らなければ。


 騎士としての爵位を賜ったら今度こそエステレラと城を出て、二人で暮らそう。


 そして……エステレラを幸せにするんだ。


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