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ローアル・side story/僕の本当の幸福は①

 

 さらに彼女は、僕の両手を持ち上げ、泣き出した。


 「ローアル。わたくしのものになると言いなさい。

 そうすれば、わたくしがあなたを全力で守ってあげられるわ。」


 皇女は、僕が望めば特別な待遇をしてやると言いい、必要以上に僕のそばに顔を近づけた。

 頬に皇女の吐息がかかり、びっくりして僕は目を逸らした。



 …だめだ。この空間が耐えられない。

 早くここから出たい。

 この人のそばに居たくない。


 「…僕は大丈夫ですので…」


 きつく握った手はなかなか離してもらえず、思わず逃げ腰になってしまった。

 早くエステレラの元に帰りたい。


 「…分かったわ。ローアル。」


 ようやく皇女が僕を解放してくれた。良かった、機嫌は悪くなさそうだ。

 穏やかに笑う皇女に安心し、僕はその場を去った。


 でもそれは大きな間違いだった。


 この時の行動を、皇女は『拒絶』と受け取ったのだろう。

 それが、さらに酷い執着を生むことに、僕は気づきもしなかった。



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