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前世編/それでも最期に願うのは③
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静かにディー様は私に尋ねる。なぜか怒ったような顔をして。
「ストレーガ家の後ろ盾の対価は…
お前の心臓と引き換えだ。
そんなもののために…
そんなクズな男のために…君は自分の命を捨てるのか?
それでも彼の幸せを望むのか?」
「私は……」
私はローアルを愛してる。
(だからこそ憎かった)
彼が幸せになるのならこの命を捧げても構わなかった。
違う、嘘ばかりだ。
(地獄に落ちてほしいと願っていた)
いや、違う。
見返りが欲しくて始めたわけじゃなかったの、本当よ。
ただローアルに幸せになってほしかった。
(本当に…?)
………こんなに全てを犠牲にしたのに。
(幸せになるなんて許せない)
(幸せになんてさせてやるものか)
…だめだ、違う。
絶望を繰り返して私は壊れてしまった。
愛してる。
けれど殺したいほどローアルを憎んでいた。
このままではきっと私は………
それなら。もしこれが本当に、本当の最期なら。
私が心の底から望む願いは—————
「……………殺して、ください。」




