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前世編/私も本物の皇女だった③
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「…へいか?陛下?陛下!…陛下っ!!!」
微弱な輝きで私を見つめていた皇帝の瞳から、光がすっと消えた。
力の抜けた手が私の手から滑り落ちていく。
口元には生々しい血がついたままで、体はまだ温かかった。
でももう、心臓が動いてない。
脈を見た医者が首を横に振り、つぶやいた。
「皇帝陛下が後崩御なされました。」
臣下たちが一気に騒ぎ出した。
泣き崩れる者、叫ぶ者、慌てふためく者、気づかれないよう冷笑するもの。
皇帝陛下…アウトリタ・タエヴァス・トルメンタ。私の本当の父親。
エスピーナの異母妹。
私は本当にトルメンタ帝国の皇女だったのだ。
そして、本当は父親に愛されていた。
「おと……う、さま…………っ」
涙が止まらなかった。
せめて母親のトリステルに、一目会わせてあげたかった………




