現世編/いつだって君は(ローアルside)
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完全に下り切った剣を僕は床に手放した。
——エステレラの手はいつだって温かかった。
出逢った時もそうだった。
自分が守っているはずなのに、いつも僕の方が遥かに多く守られていた。
いつだってエステレラは、身を挺して僕を守ってくれた。
僕の方が年上なのにも関わらず。
「……ッ、エステレラ…さま。」
また不甲斐ない姿を見られ、僕は無意識に涙を流してしまう。
「…つっ。感情的になり…すみま…せんでした…」
「…大丈夫よ、ローアル。
あなたは賢いわ。もう間違えたりしない、そうでしょ?」
前世から精神的に成長しない情けない姿を晒し、幼い子供のように声を殺して泣き始めた僕を、エステレラは優しく慰めた。
前世で君を守ることができなかった僕を。
忘れてしまってもなお、守ってくれる。
救ってくれる。
憎むあまり、エスピーナという怪物に囚われすぎていた。
エスピーナを殺せばきっと僕は後悔していただろう。
人を殺すということは、つまりそういうことだ。
それをエステレラが止めてくれた。
やはり、自分が愛した唯一無二の人だと自覚する。
エステレラがこの国の皇女で、本当に良かったと心から思う。
もっと、強く。精神的に強くなり、今度こそ彼女を守れるようになりたい。
眩しいほどに輝くエステレラを見て、僕はさらに愛しいという気持ちを加速させていった。




