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現世編/二人からの求愛③


 「エステレラ様にお似合いだと思って、こっそり買っておいたんです。

 エステレラ様のその美しい赤茶色の髪に、とてもよくお似合いになると思います。

 僕の気持ちです。どうか受け取って下さい。」


 「…あ、ありがとう。」


 あまり自慢にならない髪をそんなに褒めてくれるなんて。

 初めて特定の異性からもらうプレゼントに、私はまた胸をドキドキとさせていた。


 その私とは違い、少しだけ目を細めたローアルはどこか寂しそうに遠くを見つめて言う。



 「…実は。遠い昔に、大事な人に渡しそびれた物を思い出して買ったんです。」


 ローアルに大事な人が…? 


 「あっ、でも今大事な人はもちろん、エステレラ様ですよ?心配しないでくださいね。」


 「し、心配なんてしてないわ。」


 振り返ってローアルはまた熱い眼差しで私を見つめた。

 それなのになぜかチクリと胸が痛んで、私ははぐらかすように視線を逸らした。


 「…愛しています、エステレラ様。

 今日は僕にこのような貴重な時間を下さり、感謝しかありません。」


 相変わらず、いつものように熱い告白をする。


 でもその瞳はやはりどこか寂しそうに見えた。


 …遠い昔に髪飾りを渡し損ねたというローアルの大事な人。

 幼い頃の話だろうか?


 それを聞いてチクリと胸が痛むのはどうしてなんだろう。


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