現世編/二人からの求愛①
ローアルが皇室騎士団に入ってから2ヶ月あまりが過ぎた。
その間、ローアルは新人にも関わらず国境付近に襲来した魔獣退治に駆り出され、群れを率いていた中核の魔獣を仕留めたそうだ。
また、騎士団では定期的に各団員のランクを決める試合があるのだが、それにも団長以外に勝利し、事実上騎士団でランク2位となる。
それが、わずか2ヶ月。
まさか、こんなに早くローアルが成長するとは誰が想像しただろう?
◇◇◇
少し日差しが強いお昼過ぎ。
「皇女様。約束通り、魔獣討伐の功績を上げましたよ。
それと、騎士団でのランク上げも、団長に次ぐ実力2位と認められました。
というわけで、約束のデートする権利を頂けますか?」
いつものように騎士団に差し入れを持って行くと、ローアルがまた懲りもせずに聞いてくる。
この2ヶ月間、毎日のように繰り返されるプロポーズに、熱い愛の告白。
少し照れ臭そうに頬を赤らめながらも、真っ直ぐに私を見つめてくる。
今ではその光景が皇室騎士団での名物行事となり、騎士団員に限らず城で働くメイドや、お父様の側近たちが冷やかし?にわざわざ見学に訪れるほどだ。
「本当にローアルは毎日懲りないね〜」
「皇女様、もういっそのこと結婚して差し上げてくださいよ〜」
「な、何言ってるのよ…っ!私たち、デートもまだなのよ?」
からかう団員たちにムキになって言い返すと、今の言葉を前向きに取り上げたのか、ローアルは嬉しそうに言う。
「皇女様!デートすれば、僕と結婚して下さいますか?」
「違、違う…っ、何言って…」
マズいわ。
不意打ちのようなローアルのプロポーズ攻撃に私は顔を真っ赤にし、手のひらでそれを隠した。
毎日のように聞いている告白なのに何度聞いても慣れないし、いつ聞いても本当にローアルに愛されているような気持ちになってしまう。
本当に私を好き…?愛しているって…?
そんな馬鹿な。出会ってまだ2ヶ月なのよ?
けれど不思議だわ。
なんだか恥ずかしくて歯痒くて…だけどフワフワした気持ちがする。
確かに私には婚約者もいないし、ローアルとデートするのに特に問題があるわけではない。
あるとすれば…私が皇女という立場のことくらい。まあ、それが一番の問題だけれども。
デートする権利か。
そのうちお父様に相談してみよう。




