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9.雷

前回のお話。


知星(ちせ)と言う女の子と出会い、俺達はレストランへ向かった。

だが、食事中に敵が襲ってきた!

俺は戦いの最中、敵の毒にやられて……。

元気回復(レタブリスマン)!」



 結衣(ゆい)



麻陽(あさひ)、また調子にのって突っ走ったでしょ」



「ありがとなー」



「どういたしまして!」



「活きがいいのも困るな~」



「さて、殺菌しましょうね! 消毒(デザンフェクシオン)!」



「ぎぃゃぁぁぁぁぁぁっっっっ!!」


 ギーラの体が溶けている!



「まだまだ! 手術(オペラシオン)!」



「調子にのるなよ!!」


 ギーラの顔つきが変わった。

 爪が勢いよく伸び、結衣(ゆい)に襲いかかる。



「きゃあぁぁ!」


 結衣(ゆい)



爆破(ブラスト)!」


 ギーラの爪に攻撃はできたが、一時しのぎにすぎない。



「大丈夫か!」



「ありがとう麻陽(あさひ)!」


 ギーラはどこ行った!?



「いやぁっ!」



 知星(ちせ)!?

 なんでここに!

 ギーラがこちらを見て、にやついている。



「これ以上、食事の邪魔させない」


 あいつ人質をとりやがった。

 ギーラって意外と頭がいいのか?



「いただきます」


 ギーラが知星(ちせ)を、頭から食べようとした。



「やめろっ!!」



防御(エルブス)


 知星(ちせ)のネックレスが光っている。



「ぎぃぁぁぁぁっっ!?」


 ギーラは弾き飛ばされた。



知星(ちせ)……おまえアミナスだったのか!?」


 知星(ちせ)はこちらを見て、無言で頷いた。




雷撃(ブリッツ)


 次はギーラに雷が直撃だ!




「電光石火………………きい!」


 きい!?


 素早く移動したと思ったら、もう一人の子に交代した。


 あれっ?



 右目に……石?




「よくも私のレストランを!! 雷雨(サンダーストーム)!!」


 激しい雷雨が、ギーラに降り注ぐ。



「…………!!」



 一瞬で丸焦げだ。

 これをあの子達がやった?

 まだ六歳だぞ!?




「あなた方は敵?」


 きいが、俺達を睨みつけてくる。



「……客だよ」


 顔は一緒だけど、右目に眼帯をしている。




「客のわりには血まみれだけど? 先に病院行ったら?」


 やべぇ、めっちゃキレてる。

 結衣(ゆい)のおかげで回復はしてるけど、服は血まみれだからな。



知星(ちせ)ちゃん! 大丈夫!?」


 結衣(ゆい)が近づこうとすると……。




「近寄らないで!」


 近づこうとすると、静電気のようなものがあたる。

 どうすれば認めてくれる?


 そのとき、結衣(ゆい)のお腹が鳴った。

 さすがにこのタイミングはだめだと思ったのか、顔が真っ赤だ。



 ……そうだ!



「腹減ったな」



「えっ? あ! うん、いくら丼完食できなかったから……」



「俺は完食! でも持ち帰りで、たまごサンドが欲しいんだよな………………作れる?」



「かしこまりました。きい、たまごサンドお願いします」



「え!? はい! 了解……です!」


 二人は急いでレストランに戻った。




「あぁ……しんどぉ」



「私達の誤解は、解けたって事でいいのかな?」



「いいんじゃね?」


 始まりの町、なかなかハードだった。



「あ、ギーラのミラストーン、回収しないと」


 俺は、丸焦げのギーラの元へ走った。



「やっぱないか」



「ミラストーンが心臓って事は、生きてる状態で回収しないと、麻陽(あさひ)は吸収できないって事だよね?」



「そうなんだよ。難しくね?」


 しかもミラストーンがどこにあるか分からない。

 あのとき、たまたま実習の先生にかぶりついた場所に、ミラストーンがあった。

 先生が炎の能力者だったから、俺は今、炎を使う事ができている。


 ミラストーンは、食べなくても吸収できる事が分かった。

 あのとき、俺は飲み込んでいなかったからだ。



 ルークス学園にあるミラストーンは透明。

 発動前のミラストーンに触れても、効果はなかった。

 能力者のミラストーンを、吸収しなければいけない。

 でも、同じアミナスの能力を吸収してしまったら、そのミラストーンはどうなるのか。

 もし、その人が技を使えなくなってしまったら?


 ……試すことができない。



「どうしたらいいんだ……」


 とりあえず、俺達はレストランへ向かった。





「おまたせしました、たまごサンドです」


 知星(ちせ)ときいが、一緒にたまごサンドを持ってきてくれた。



「ありがとう。知星(ちせ)、おまえ達は何者なんだ?」



「私の名前は稀星(きせ)。分かってると思うけど、ここでレストランをやってる。それと、この始まりの町、カストラの番人をしてる。」



「番人?」


 俺も結衣(ゆい)も理解ができない。



「始まりの町……学園を卒業した人がよく訪れる。ギーラはそれを理解している。格好の餌食よ」



「それを君達が防いでるって事?」



「そう、希夜(きよ)ばぁに頼まれてね」


 希夜(きよ)ばぁ…………。



「あ、理事長か!」



「え、知星(ちせ)ちゃんと稀星(きせ)ちゃんのおばぁちゃんなの?」



「そう、ばぁちゃん」


 知星(ちせ)は笑顔で答えた。

 理事長が大好きなんだな。



「あなた達、勘違いしてるようだけど、あのギーラ、最初から私達を狙っていた」



「えっ!」


 たしかに……食事の邪魔しないでって言ってたな。

 最初にレストランで俺達を見た訳じゃなく、知星(ちせ)を見てたって事か!?




「確かに、いつものギーラなら素人アミナスを狙ってただろうね。でも私達の方が能力値が高くておいしそうだから、私達を狙った。それなのにあなた達が余計な事をしたから、大切なレストランが……」



「そんな言い方はっ……!」

「ごめんなさい!!」


 結衣(ゆい)!?




「大切なレストランを壊してしまってごめんなさい! 私も状況判断がうまくできてなかった! 怪我人だってたくさんでたかもしれないのに……」


 そうか……俺達は周りの人達の事を考えていなかった。

 俺はギーラと戦う事しか考えていなかった。

 あのとき、結衣(ゆい)知星(ちせ)を安全な場所に移動させようとしていた。



 素人アミナス……本当にその通りだ。



「ごめん、俺が悪かった」



「でもね! 麻陽(あさひ)はこれ以上レストランが壊れないように、外に出たの! それだけは分かってほしい……」


 結衣(ゆい)……。



「レストランは私が治します!」



 ……ん?



「あなたが?」



「はい! おまかせ下さい!」


 結衣(ゆい)は、レストランの外に出て手をかざした。



復元(リストレーション)!」


 結衣(ゆい)がそう唱えると、レストランの壊れた部分がみるみると元に戻った。



「え!? あなたその能力!」



「ふふふー! 壊れた物があれば修復可能なの!」



「……」



結衣(ゆい)、人だけじゃなくて物も直すのかよ! すげぇな!」



「もっと誉めて~!」



「ありがとう、私達のレストラン直してくれて」


 知星(ちせ)はそう言ってくれたけど……。



「ありがとう」



「どういたしまして稀星(きせ)ちゃん」


 仲直りできたかな……?



「俺達もう行くよ! たまごサンドありがとう! えび天うどんも毎日食べたいくらいおいしかった!」



「毎日?」



「ん? あぁ、毎日食べれたら幸せだな!」



「分かった、私もついていく」



「え!?」



「きいが行くなら私も行く」



「プロポーズされたのは私だよ」



「は!? プロポーズ!?」



「毎日食べたいんでしょ?」



「いや、そうだけどプロポーズはしてないよ!」



「それに結衣(ゆい)の能力に興味もあるしね」



「私?」



「私もきいと一緒に行く」



「しょうがないな、いいよ」



「いや、稀星(きせ)が決めるなって!」



「わぁーい! 知星(ちせ)ちゃん稀星(きせ)ちゃん、これからよろしくねー!」



「いやいやちょっと待てって!」



「ちなみに私達、見た目は六歳だけど中身は18歳だから」



「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!????」

次回。


「理事長、すみません責任はとります!」

そして新しい町へ!

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