7.どっち
前回のお話。
敵が学園に侵入!
結衣のお姉ちゃんは、連れ去られてしまった。
俺は、敵に噛まれて意識が……。
腕も足も動かせない。
噛むしかなかったんだ。
俺はまだ死ねない。
おまえらを殺すまでは!!
俺の体が光り始めた。
頭の中に、文字が現れた。
「吸収」
俺は、ギーラのミラストーンの力を吸収した。
「炎」
そう言うと、俺は炎を出していた。
ギーラは丸焦げだ。
だんだん原型がなくなっていく。
おそらく、ミラストーンが壊れ始めてるんだ。
石が焦げるなんて理解できないけど。
俺はもう動けなかった。
発動できたって事だよな……。
ギーラが死ぬところを見て、俺は意識を失った。
――――
目が覚めると、そこは医務室のようだった。
動こうとしたとき、俺は理事長、副理事長を含む四人の先生に囲まれ、攻撃を向けられていた。
手も足も、体全てが拘束されている。
「おはよう、よく眠れたかい?」
「最悪の目覚めです、理事長」
「はっはっはっ! すまないね、あんたがギーラか人間か、区別できなかったもんでね」
「どう言う事ですか?」
「あんたギーラに噛みついたんだって? ギーラの血が混ざれば本来、人間ではなくなるのさ」
「え! そうなんですか!?」
「だけどあんた、攻撃して倒したって言うもんだから、殺さず拘束させてもらったよ」
……殺さずって。
「あんたが寝てる間、いろいろ調べさせてもらった。
茉白!」
「血液検査異常なし、眼球や口内も異常なし、外見の変化も異常なしです」
「最後に私が、いろいろ調べさせてもらったけど、ミラストーンの色は、赤茶色だった」
「て、事は?」
「人間だ、解放するよ」
「よかったぁ……」
「検査するのに、服は脱がしたからね。適当に新しいやつに着せといたよ」
「……検査って誰が?」
「この空間にいる教師四人と、野次馬が数人いたかな?」
「恥ずかしいっ……」
「あんた、本当にバカだね。さっきまで死ぬかもしれなかったのに」
「すみません、ご迷惑をおかけしました」
「何をまた謝ってんだ! 謝んな!!」
「はい、すみませんでした!」
「発動おめでとう」
「……ありがとうございます!」
そうか、俺は発動できたんだ!
でも記憶が曖昧だ。
「そうだ! 結衣は!?」
「教室で待ってるとさ。早く安心させてやりな」
「分かりました! いってきます!」
俺は急いで教室へ向かった。
――――
「結衣!」
「麻陽!」
結衣は大泣きしながら、俺に抱きついてきた。
「本当によかったぁぁぁぁ。麻陽までいなくなっちゃったら……」
そうだ、結月さんは?
俺は先生の方を見たが、先生は首を横に振っていた。
わざわざ連れて行ったんだ。
何か目的があるはずだ。
生きていてほしい……。
「ぅぅぅぅえーん」
「おい、鼻水つけんなよ?」
「ぅぅんっっ!!」
だめだこりゃ、しゃーないか。
「仲良しだね~お二人さん」
「花音先生!」
先生は俺の方に近づいてきて、頭をぶん殴った。
「!!!!」
「私は、トレーニングルームに行くように伝えた。生きていたからよかったものの……」
「すみませんでした」
「また一から勉強するよ!」
「はい!」
先生は少し涙目だった。
先生、ありがとう。
「麻陽! 大丈夫っ……」
「結衣? 顔赤いけどどうした?」
「なんでもないっ!」
「はは~ん、麻陽の素っ裸思い出してんのね」
「……ちがっ!」
「えっ!! 着替え見たの!?」
野次馬数人って、先生と結衣!?
俺もうお嫁に行けなぁぁぁぁぁぁい!!!!
――――
あれから三年がたち、俺達は15歳になった。
俺は実践での経験を積み、能力を使いこなせるようになった。
結衣は、回復能力を使用中は、他の能力を使用できないが、攻撃技は複数同時に出せるようになっていた。
今日、俺達はルークス学園を卒業する。
「麻陽、結衣、卒業おめでとう。この学園は通過点です。本番はここからだと言う事を忘れないように」
そう、あくまで通過点。
やっとここまできた。
「先生のおかげで、たくさんの事を学べました。これからも、たくさんの人を守ります」
「俺は、兄の仇をとる事を目標としてやってきました。まだまだこれから、やるべき事をやります」
「二人は一緒に旅にでるの?」
「もちろん!」
「え?」
「え!? 一緒に行かないの!?」
「んー……」
回復は助かるけど、仇うちに巻き込む訳にはいかないからな。
「私は、お姉ちゃんが生きてるって信じてる。お姉ちゃんを助ける」
「結衣……」
「麻陽の仇うち、私も連れていって」
「……分かった。一緒に行こう」
結衣も俺と目標は一緒。
絶対に成し遂げる。
「仲間を集めるのもいいし、いろんな場所で情報収集するのもいいと思うよ。何かあれば、いつでもこの学園においで」
「ありがとうございます、先生」
「ありがとうございました、先生。私、頑張ります」
「ミラストーンを持つ能力者達を、我々はアミナスと言っています。これは、命と言う意味です。決して無理をしないように、生きて下さい。……いってらっしゃい!」
「いってきます!」
俺達は旅に出た。
「麻陽、まずはどこに行くの?」
「とりあえず近くの町を目指して、腹ごしらえと情報収集、そしてギーラ殲滅かな」
「分かった。地図の感じだと、このまま北に進んで行けばあるみたい」
「OK、急ごう!」
俺達は町まで走った。
次回。
お腹がすいた俺達はレストランへ!
そこにギーラが現れた!




