48.目薬
前回のお話。
俺、結衣、悠真、一生さんは、食堂へ向かった。
「いらっしゃーい、あ!」
「やっほー稀星!」
「稀星ちゃん!」
「結衣、お腹すいたの?」
稀星は言った。
結衣は、顔が真っ赤だった。
「あれっ、違った?」
「いや、合ってる」
俺は笑いながら言った。
「だよね! 好きな席に座って! 注文はタブレットで!」
俺達は、窓際の席に座った。
「なんか、あのレストランにいた人に似てるな」
悠真は言った。
「あぁ、双子なんだ。で、さっきの子供達のパパ」
俺は、タブレットをさわりながら言った。
「だから子供も双子か」
悠真は言った。
「結衣ちゃん、さっきからどうしたんだい?」
一生さんは結衣を見ていた。
「なんでもないです!」
結衣は、俺からタブレットを奪い選び始めた。
――――
「おまたせしました! ごゆっくり!」
「相変わらずうまそー!」
「本当! いただきます!」
俺達は、食べながら話をしていた。
「麻陽君、ずいぶん大きいかき揚げだね。うどんが全く見えないじゃないか」
一生さんは驚いていた。
「きっとサービスです」
俺が、笑いながら稀星の方を見ると、笑いながらピースをしていた。
「結衣ちゃんも、こぼれいくら丼じゃないか。そして、なんで牛乳なんだい?」
一生さんは不思議そうな顔をしていた。
「多分、通風予防です」
結衣も、笑いながら稀星を見ていた。
稀星は、『飲めよ』とジェスチャーをしていた。
「いや、牛乳は合わないだろ」
悠真の言うとおり、多分合わない。
「悠真は、牛丼とほっけの開きか。なんでこの組み合わせなんだよ」
俺は聞いた。
「おれ、村では魚ばっか食べてたから好きなんだ。でも肉も食べたくて」
確かに、魚の食べ方が綺麗だ。
「一生さんは、お寿司が好きなの?」
結衣は聞いた。
「うん。もう歳だからか、肉がもたれてね。あ、この味噌汁おいしいね」
「甘いのは好きなんだね」
別皿に、あん団子があった。
「昔は甘いもの苦手だったんだけどね」
それも歳のせいなのかな。
「懐かしい味だなぁ」
「ちょっと麻陽、泣きながら食べないでよ」
俺達は、わいわいしながらご飯を食べ終わった。
「ごちそうさまでした!」
俺達が帰ろうとしたとき、稀星が手招きをしていた。
「はい! お土産!」
渡された物を見ると、たまごサンドだった。
それとおにぎり。
多分、いくらが入っているのかな。
夜食だ! 夜食!
「そっちの二人にも!」
「おぉ、肉巻きおにぎりだ!」
悠真の目が輝いていた。
「この棒状のものは……春巻きの皮?」
一生さんは聞いた。
「そう! 中にあんこや餅が入ってておいしいよ!」
「ありがとう!」
俺達は、食堂を後にした。
「あっ、みんな!」
花音先生だ。
「今日はみんな泊まっていくでしょ? これ鍵」
「ありがとうございます!」
「部屋の案内は、麻陽と結衣、任せたよ」
「「はーい!」」
俺達は二人に部屋を案内し、各自、部屋で過ごした。
――――
「おはよう、結衣」
「おはよう、麻陽! 行こっか!」
俺達は、また旅に出た。
悠真は、ここで卒業を目指すそうだ。
発動もしているし、実戦経験もある。
すぐに卒業できるだろう。
一生さんの担任はミスターだった。
これから、ミスターと一緒に勉強をし、学園に就職するらしい。
また学園に来るのが楽しみだ。
そういえば、なぜギーラが現れたんだろう。
先生達は、何も言ってなかったな。
調査しながら行こう。
そのとき、指輪から信号が入った。
「はい」
俺は、指輪に話しかけた。
「麻陽! 久しぶり!」
「寧々!」
「目薬が完成したの! 近いうち来れそう!?」
「ありがとう! 今から行くよ!」
「了解!」
俺は、通信を切った。
「響は元気かな?」
結衣は言った。
「チョコでも食べながら待ってるさ」
俺達は、列車で移動した。
――――
着いた。
宝石の町、カタリナ。
「麻陽、結衣」
「響!」
「久しぶり!」
「はい、どうぞ」
響は結衣に、すぐチョコをあげた。
「ありがとう……」
「どうしたの?」
響は俺を見た。
「まぁ、いろいろあるんだよ」
俺は響に言った。
俺達は、寧々の家に向かった。
――――
「ただいま」
「おかえり! 麻陽、結衣、いらっしゃい!」
「おじゃましまーす」
「そこ座って待っててー」
寧々は、お茶の用意をしていた。
「響、なんか綺麗になった?」
結衣は言った。
「毎日、温泉に入ってるからかな」
「うらやましい!」
「後で入っておいでよ」
「うん!」
「おまたせー。お茶と塩ビスケットどうぞ」
寧々は言った。
「ありがとう」
「結衣がもうチョコ食べてると思って、しょっぱいのにしたよ」
「……ありがとう」
「どうしたの?」
寧々は俺を見た。
「何回、このくだりやるんだよ」
俺は笑いながら言った。
「じゃあ、本題」
寧々は座りながら言った。
「これが今回、功見さんと共同開発した目薬。これで、うるう年によって増幅するギーラの力を抑える事ができる」
寧々は、目薬をだした。
「すっげー……ここの温泉が、この目薬になるなんて……」
「大変だったのよ? 直接、目に入れる物だし衛生面やら成分の抽出やら」
「意外と小さいんだね」
結衣は言った。
「そうなの。大量に保存はできないから、小さい目薬を複数個、持ち歩く事になるわ。でも注射とかよりは簡単でしょ」
「ありがとう!」
俺は、目薬をもらった。
「次は僕から」
響は言った。
「最近、妙な音が聞こえるんだ」
「妙な音?」
「ボスの心音に近いんだ」
「それって……!」
「でも一つじゃないんだ」
「えっ! 分身って事!?」
結衣は聞いた。
「でも速いんだよね……心音が。よく分からないんだ」
「最近、このあたりでギーラの情報は?」
「ないと思うわよ」
寧々は言った。
「実は先日、一般人がギーラみたいになるところを見たんだ」
「でも、ギーラの製造者はもう……!」
寧々は驚いていた。
「もし、響の言っている事が正しければ、ボスは生きている事になる」
「そんな……」
結衣は呟いた。
「そのときは、また一緒に戦ってくれる?」
「もちろん!」
「当たり前だよ」
寧々と響は言った。
「まずは情報収集かな」
「作戦もね」
結衣は俺を見た。
俺と結衣は、すぐに出発する事にした。
「残党倒しながら、情報収集してみるよ」
「ゆっくりしてほしかったけど、仕方ないわね」
寧々は腰に手をあてて言った。
「またね!」
俺達は出発した。
次回。
胡桃とロッチャ再び。




