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34.落下

前回のお話。


炎の能力を出すギーラ二人と出会った俺達。

近づこうとしたとき、突然、床が爆発した。

「僕の名前は橙也(とうや)。こっちは日向(ひなた)。僕達の部屋へようこそ。この部屋は、大量の地雷と時限爆弾が仕込まれてるんだ。当たらないように気をつけてね! おじさん!」



「同じ能力者だし、当たらないようにとかできないの?」


 (ひびき)は言った。



「よし、やってみるか!」


 俺は辺りを見渡した。



「…………よし! ここだっ……ばっ!!!!」


 普通に当たってしまった。



「おじさんバカだねー!!」


 橙也(とうや)はげらげら笑っていた。



元気回復(レタブリスマン)!」


「兄ちゃん全然だめじゃん」


 結衣(ゆい)が回復してくれている横で、(はやて)は呆れていた。



「ちっくしょー。まだまだぁっ……がっ!!」


「ぶっはっ! あっはははははは!!」


 橙也(とうや)はお腹を押さえて笑っていた。



元気回復(レタブリスマン)!」


「ちょっとあなた何やってんのよ」


 稀星(きせ)も呆れていた。


 炎の耐性があるのか、そこまでひどいけがは負っていない。



「近づけないならここから攻撃だ! (ブレイズ)!」


 俺の炎は橙也(とうや)に届いたが、途中で威力が弱まってしまい、片手で弾き返されてしまった。



「……麻陽(あさひ)、弱っ!」


(ひびき)、それ以上言わないでくれ」


「ちょっと危機感もちなさいよ!」


 稀星(きせ)は少し怒っていた。


 三百メートルくらいはあるだろうか。

 動けば地雷。

 攻撃は届かない。



雷撃(ブリッツ)


 知星(ちせ)は攻撃をしようとした。



「……届かないわね」


 稀星(きせ)は腕を組んで言った。



「俺、行ってみるわ」


 (はやて)は言った。


 (はやて)の周りには風がふいていた。



強風(ダウンバースト)!」


 よし! 地面に触れる事なく近づいている。



「かまいたち!」


防御(ヒート)火山(イフェスティオ)


 橙也(とうや)の周りの地面から炎が吹き出てきた。



「……!!」


(はやて)!!」


 やばい!

 燃えてる!

 消さないと!

 水は!?


 地面に倒れた(はやて)は、地雷でまた爆発した。

 俺のときはあんなに燃えなかった。

 なんで!?



「あぁ……つまんない」


 橙也(とうや)は、倒れていた(はやて)の髪の毛をつかんだ。


 

「俺達の邪魔するやつは、みんないなくなればいいのに」


 橙也(とうや)(はやて)に唾をかけた。



「チェンジ!!!!」


 俺は(はやて)と自分の場所を変えた。



元気回復(レタブリスマン)!」


 結衣(ゆい)はすぐに(はやて)を回復する。



「いい加減にしろよ! この糞ガキっ!!」


「えっ!」


 橙也(とうや)は驚いていた。



(ブレイズ)!!」


 俺は右腕を炎で包み、思い切りぶん殴った。



「っっっ!!」


 橙也(とうや)は壁に向かってぶっ飛んだ。

 俺の手には血がにじんでいた。

 俺の炎もレベルアップしている。



「……はぁっ……はぁっ……結衣(ゆい)!」


「こっちは大丈夫! まかせて!」



「いまの何?」


 橙也(とうや)はすぐ立ち上がった。



「さぁ、なんの事かな?」


「……」

「……」


(ブレイズ)!」

(ブレイズ)!」


 こうなったら根比べだ。


「モスキート」


 (ひびき)



「何これっ!?」


 いまだ!



爆破(ブラスト)!!」


「……!!」


 直撃だ!


 モスキートは若い子にしか効かない。

 つまり俺はおじさん……。


 橙也(とうや)は頭をかきながら起き上がった。



「……当たっても効いてなきゃ意味ないんだよな」


 お互い炎の能力者。

 炎には水なんだろうけど、水の能力者はここにいない。



「おじさん嫌い」


 橙也(とうや)は両手を叩いた。



「!」


 結衣(ゆい)達の周りの地面が爆発している。



「きゃぁぁ!!」


「地面が!」



「時限爆弾だよ。僕の合図で爆発するんだ」


 橙也(とうや)はまた両手を叩いた。



「!」


 今度は俺の地面が爆発した。

 地面が崩れていく。

 このままだと落ちる!



「くそっ!」


 俺は崩れていない地面を一生懸命つかんだ。

 なんとか登らないと!



「さよならおじさん」


 橙也(とうや)は俺の手を蹴り飛ばした。



「っ!!」


 俺は真っ暗な穴に落ちた。


――――


 どこまで落ちるんだ。


 でもだんだん明るくなってき……!!

 俺達の住んでた世界!?

 穴の方を見ると、大量のギーラが押し寄せていた。

 橙也(とうや)が穴をあけたせいで、通路ができてしまった。


 このままだと町のみんなが!



(ブレイズ)!」


 だめだ、数が多すぎる。


 ……っ……頭が痛い。



「あれっ、今日って……うるう年か?」


 だとしたら、結界が弱まってる!



「あれは……ルークス学園!」


 このままだと学園の真上に落ちる。



(ブレイズ)!」


 俺は学園に向かって炎をだし、着地した。


 学園が燃えないって事は、結界がしっかりしてるって事か。

 上を見ると、ギーラがどんどん押し寄せてきている。



(ブレイズ)! 火山(イフェスティオ)!」


 四方八方にギーラが飛んでいく。

 速くなんとかしないと!



(ブレイズ)


「ぅあっ!?」


 上から炎が降りかかってきた。

 上を見ると、橙也(とうや)日向(ひなた)がいた。



「なんでここにいるんだ!」


「おもしろそうだから一緒に落ちてきちゃった」


 二人はケタケタ笑っていた。



「きゃぁぁぁぁっ!!」


「うわぁぁぁぁっ!!」


 一般の人だ!


 俺は急いで助けに走った。



(ブレイズ)!」


「ぎぃやぁぁぁぁぁぁっっ!!」


 俺はギーラを燃やした。



「大丈夫ですかっ!?」


「ありがとうございま……」



(ブレイズ)


「いやぁぁぁぁっっ!!」


「えっ!?」


 人が燃えた。

 俺の炎ではない!

 消さないと!

 俺は落ちていた布を叩きつけた。


 消えないっ!!



「うぁぁぁぁ!!」


 どんどん人が燃やされていく。


 そうだ!



吸収(アブソーブ)!!」


 俺が炎を吸収した事で、周りの人達の炎は消えた。



「痛い……痛い……痛い……」


「ひゅー……ひゅー……」


「はぁ……はぁ……はぁ……」


 みんな重症だ。



麻陽(あさひ)!」


花音(かのん)先生!」


「救護班! 急いで!」


 けがをしていた人達は、救護班によりなんとかなった。



「敵に背中を見せるなんて、ずいぶんふざけてるね」


 橙也(とうや)の声だ。

 俺は振り返った。



「おまえらっ!!」



「人を燃やすとさ、長い間苦しむんだ。じわじわと肉体を壊していく。こげた匂いもたまらないよねぇ!! 僕、この能力で本当によかった!」



「ふざけんじゃねぇ!」



「ふざけてなんかいないよ! それより、さっき僕の炎を吸収してたよね? あれなあに?」



「お前に教える訳……」


 俺の右手が急に燃え始めた。



「なんだ!?」


 止まらない!

 体がおかしい。

 どんどん燃えたぎっていく。

 制御できない。


「なんなんだよっ!」


麻陽(あさひ)!」


 花音(かのん)先生!

次回。


俺は自分の力を制御できず、封印されてしまう。

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