32.再会
前回のお話。
ボスを倒す為、護衛隊がいる扉を開けた。
「あ!」
俺は扉を開けた先にいるギーラを見て、声が出た。
「あらぁ」
「幽華!」
「お久しぶりぃ~」
幽華は手をひらひらさせて、こっちを見ていた。
「ここに来たって事は、私を倒しに来たって事でしょ? 何人でもかかってらっしゃぁい……あら、颯! とうとうそっち側になったのねぇ」
「幽華は俺の心が分かってたんだね。なんで今までバラさなかったの?」
颯は淡々と言った。
そうだ。幽華は幽霊だから、心を見られてしまう。
「面白いじゃなぁい? でも、家出したのをバラしたのは私よ」
「……なんで?」
「周りの反応が見たかったから。あんた一人にどれだけのギーラが捕まえに行って、どれだけのギーラが血を出すかが見たかっただけ」
「一応俺が勝つ流れで考えてたんだね」
「まぁ、あなたの強さは分かっているからぁ。それをへし折ったとき、どれだけの快感があるのかを感じたいのよぉ」
「……もしかして、ここに来る流れを想定して、家出をリークしたって事?」
「ピンポーン! じゃあ、さっそく始めましょっ」
幽華は右手を上げた。
「兄ちゃん達! 逃げて!」
「復活!」
幽華の声で、壁、床、天井からゾンビが勢いよく飛び出してきた。
「きゃぁぁぁ!!」
「結衣! 防御だ!」
「防御!」
結衣。
「防御!」
稀星、知星。
「防御!」
颯。
「防御!」
響。
「防御!」
そして俺。
全員が防御の能力を出した。
ゾンビ達が津波のような感じで上から押し寄せてくる。
「みんな! 防御を崩すな!」
そうは言ったが、ゾンビの勢いが止まらない。
「このままじゃ押し潰されるわよ!」
稀星は叫んだ。
「防御を解除するから! 数秒粘って!」
颯には何か考えがあるようだ。
「わかっっったぁぁ!!!!」
「解除! 強風!」
ゾンビ達が全員ぶっ飛んでいった。
「幽華をなんとかするんだ!」
颯はそう言うと、すばやく幽華のもとへ向かった。
ゾンビ達も再び蘇る。
「くらえっ!」
颯は右手をひろげて前に出した。
「あなたの攻撃は私に当たらないわっ」
幽霊には当たらない。
幽華は油断していた。
「チェンジ!」
俺は颯と知星の場所を入れ換えた。
「!!」
知星はニヤリと笑った。
「雷雨!」
「……ぎぃっ!!!!」
幽華は完璧に油断していた。
なせか分からないが、前回の戦いで電気は効く事が分かっていた。
「レクイエム」
「死体!」
響のレクイエムと、結衣の死体により、幽華に大量のゾンビが襲いかかる。
「ぎぃあぁぁっっ!!」
いけたか!?
「……操作」
幽華の一言で、再びゾンビ達は動き始めた。
「だめだった! 響来るよ!」
「分かってる!」
結衣と響は態勢を整えた。
幽華の相手は知星と稀星がメインで行い、結衣と響が周りのゾンビ、他のメンバーは補助をする作戦だった。
「雷雨!」
「雷撃」
稀星と知星が攻撃をしかける。
「操作!」
幽華はゾンビで盾を作った。
「チェンジ!!」
俺は、知星と稀星の技の軌道を変えた。
「ぎぃっっあぁぁあ!!!!」
よし! 当たった!
「…………はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
幽華は口から白いもやもやした物を出していた。
そして、両方の爪で顔を横に引っ掻いた。
「きゃぁぁぁ!」
「……!!」
結衣は叫び声をあげ、他のみんなは驚いた顔をしていた。
幽華の顔からは黒い血がたくさん出ている。
「服従」
幽華の能力が発動した。
髪の毛が動き、包帯のように顔に巻きついた。
なんだ、何が起こる。
「いでよ、ケルベロス」
幽華の両肩から、 ケルベロスの頭が二つ出てきた。
どんどん変身している。
今、止めないと!
「死体!」
「レクイエム!」
「雷雨!」
「雷撃!」
「炎!」
「かまいたち!」
直撃した……けど、遅かった。
首が三つある番犬、ケルベロスへと変化していた。
「颯! あれは!?」
「分からない! でもケルベロスって事は冥界の番犬! この生と死が混ざった状態をどうとらえるか!」
「電光石火」
「待て! 知星!」
知星はすばやくケルベロスへ近づいた。
「雷電」
知星の雷がケルベロスに直撃したが、怒ったケルベロスは凄まじい雄叫びをあげた。
「耳がっ!」
ケルベロスは口から炎を出した。
「知星!」
知星も直に耳をやられたらしく、身動きができず炎をくらってしまった。
「……か……っ!」
「電光石火っ!!」
稀星は、落ちてきた知星をキャッチし、戻ろうとした。
しかしケルベロスは稀星の背後に向け炎を吐いた。
「……結衣っ!!」
稀星は、知星を結衣に向け投げた。
そして、稀星に炎が直撃した。
「がぁっ……!!」
「稀星ーー!!」
「強風!」
颯が風にのって、稀星を助けに移動した。
「知星ちゃん! 元気回復!」
ケルベロスは颯にも攻撃をしようとしていた。
「激しく!」
響の技がケルベロスに効き、颯は戻ってこれた。
「姉ちゃん!!」
颯は、結衣に稀星を渡した。
「!! はいっ!!」
結衣は、いきねり姉ちゃんと呼ばれて驚いていた。
「元気回復!」
治っているのか?
治りが遅い。
結衣も汗だくになっている。
「なんで、こんなに治らないのっ!?」
「冥界の番犬、くらったらまずいな……兄ちゃん!」
颯はまっすぐ見て言った。
「なんだ!」
「この姉ちゃんがいなくなるのは、俺達にとってまずい状態になる。ここを頼んだよ!」
「ちょっと待て! 今行くのは危険すぎる!」
「待てないよ! 次の攻撃が来る!」
「麻陽、僕のチョコ頼んだよ」
「響!!」
「行くよっ! 音の兄ちゃん」
「あぁっ!」
「颯!! 響!!」
「荒々しく! 重々しく!」
「大寒波!」
俺の声を無視し、二人は攻撃をする。
「……!!」
ケルベロス一体の口から雷が出た。
「防御!」
「防御!」
その後も、響と颯はケルベロスからの攻撃を、ギリギリ耐えながら戦っていた。
俺はゾンビの群れから結衣を守っていた。
「結衣! 二人は大丈夫かっ!?」
「うん! あとは意識が戻ればっ……!」
「知星! 稀星!」
俺は二人の近くで声をかけた。
息はしているが、反応がない。
……殺気!
ケルベロスがこちらに攻撃をしようとしていた。
響と颯は!?
二人は地面に倒れていた。
チェンジで場所を変えるには、俺と二人を変えないと結衣の回復を受けれない!
でもそれをするとケルベロスの攻撃が、移動した二人と結衣に当たってしまう!
どうする!?
考えろ!!
もう攻撃がくる!!
!!
下を見ると、俺のズボンをひっぱっている知星がいた。
意識が戻った!!
次回。
全改良。




