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3.ルークス学園

前回のお話。


祐兄(ゆうにい)と、お母さんの葬儀が終わった。

お母さん、食べられちゃったのかな……。

祐兄(ゆうにい)の石の力を使って、俺は学園に入りたい。

仇をうちたい!

でも転んで石を飲んじゃった!

 やばいやばいやばいやばい!!

 石を飲んじゃった!

 どうする!? 出す!? どうやって!?


 落ち着け! 悩んでる時間はない。

 とりあえず、ルークス学園に行くしかない!



 俺は急いでルークス学園に向かった。




 ……三時間はたっただろうか。


 走りながら、石を取り出す方法を考えたけど、見つからなかった。

 もう消化されちゃってるんじゃない!?


 いや、ない! それはない!

 落ち着け! 何をやってんだよー俺はー!!


 泣きそうになっていると、遠くで女性の声が聞こえた。



「ルークス学園、入学希望の方! こちらで受付お願いします!」


 あった! あそこが受付か!



「すみません、入学希望なんですが……」



「では、こちらにお名前、住所、年齢をお書き下さい。そして石を見せていただきます」



「えっと……一般枠希望です」



「石をお持ちでない方は、全てあちらの受付でお願いします」


 女性の指さす方を見ると、ずいぶんとまぁ簡易的な受付がある。

 テーブルのみ。

 そこには、杖をついているお婆ちゃん?

 あの人が受付の人?



「ありがとうございます」


 俺は、言われた通り受付に向かった。


 あんな離れた所に受付を作らなくても……。

 隣に作ればいいのに。

 ……何人か並んでる。



「僕はここで優秀なアミナスとなり、たくさんのギーラを倒します」


 正義感の強そうな男が、お婆ちゃんに何やら話している。



「じゃあ、向こうの建物で石を選んでおいで」



「よっしゃー合格だー!」


 マジ? あれで合格? どうなってんだ。



「次、そこのポニーテールの女の子、おいで」



「ははははははいっ!」


 おいおい、あんた大丈夫かよ。



「なぜここに来たのか言ってごらん」



「わわわ私は! 赤ちゃんのときに石を飲んじゃって……」


 飲むやつなんて俺だけかと思った!

 ちょっと安心。



「どれ、私の前においで。…………あるね、あんたは自分の石を持っているから、そのままあっちの建物に行きな」



「はい! ありがとうございます!」


 さっきとは別の建物だ。

 あのお婆ちゃんには石が見えるのか。



「次、そこの男の子おいで」


 俺だ!



「はい! よろしくお願いします!」



「なぜここに来たのか言ってごらん」



「死んだ兄の石を使って、ギーラを倒す為です」



「ほぉ……その石を見せてごらん」



「えっと……実は来るときに間違って飲んじゃって……」



「はっはっはっ! あんたも飲んだのかい。どれ、こっちにおいで」


 そんなに笑わなくても……。



「……うん、あるね。あんたも石を持っているから、あっちの建物に行きな」



「ありがとうございます」


 よかったー! 石あったー!

 俺は建物に駆け足で向かった。


――――


 建物の中は、賑わっていた。


 年上の人もいる。

 途中で一般枠を目指した人だろうか。




 ……あれから30分はたった。


 俺達はいつまでここで待たされるのだろうか。

 そう思っていると、部屋の扉がゆっくり開いた。



「待たせたね」


 さっきのお婆ちゃんと女性だ。



「私がこのルークス学園の、理事長、希夜(きよ)だ」



「そして、私が副理事長の、茉白(ましろ)です」


 さっきのお婆ちゃんが理事長で、あの女性が副理事長!?



「これより、試験を始める。勘違いしてるようだけど、さっきのは受付。本番はこれからだよ」


 やっべ、勘違いしてたー。



「自分の石を握りしめ、そのまま前に出しな。石がない者も同じだ」


 こうかな?



「これから私が、全員の能力を解放する。それを制御しな。できなければ不合格、潔くお帰り」


 理事長はそう言うと、指を鳴らした。



 すると、俺の隣にいた人の手から、炎が出ていた。

 あっちの人は雷、水。


 でも、どんどん体がのまれていっている。

 隣の人は制御できず、全身が燃えている。

 あの人は息ができず溺れている。



 まずいぞ、このまま制御できなければ、みんな死ぬ!



「制御しな! 力の暴走をおさえるんだ!」


 そんな言葉、おそらく誰にも聞こえてない。

 いきなり制御って言われたって分からないだろ。

 そして、俺の石は何で発動しない!?


 他に発動していないやつは!?

 誰かいないか!? 分からない……!




 …………半数の人が倒れた。死んでいるのか? 仮死か?



「よし、今生きている者は合格。茉白(ましろ)、倒れてるやつを蘇生して帰ってもらいな」



「分かりました」


 副理事長が掌を前に付き出した。


 めがねが光っている。



蘇生(リーサスィテイト)


 そう言った瞬間、倒れていた人達が動き始めた。


 すげぇ……。



「それではお帰り下さい」


 身をもって知ったからなのか、文句を言うやつはいなかった。



「僕は認めない! 僕はまだ何もしていない!」


 おぉ……あのときの正義感の強そうな男だ。



「このまま帰る訳にはいかない! 別の石なら適合したかもしれない!」


 確かにそうかも。



「あそこにある石は、皆様に一番適合しそうなものを係員が厳選しております」



「でもっ!」



「それ以上おっしゃるようなら、帰る事すらできなくなりますが、よろしいですか?」


 …………副理事長から放たれる、まがまがしいオーラで息をする事すら厳しい。

 視線をそらせない。このままだと意識がとぶ。



「お帰り下さい」


 男は静かにその場からいなくなった。

 俺は、やばいところに来てしまったんじゃないだろうか。



「では発動していない者は手をあげな」


 手をあげたのは、俺と受付にいたポニーテールの女の子だけだった。


 理事長は、女の子の手を握りしめた。



「……あんたは回復術師だね。ちゃんと発動してるから問題ない」



「よかった……」


 女の子は安堵した表情だった。



「さて、次はあんただね」


 理事長は俺の手を握りしめた。




 …………長い。緊張が走る。



「……発動してない。能力不適合であれば、何かしらの反応があるはず。だけどそれがない。灰色……? 黒い霧みたいなのに覆われていて、石が見えない」



「えっ、さっき受付で石があるって言ってましたよね!?」



「……何か発動条件があるタイプかもしれない。あんたは一旦、保留だ」


 嘘だろ!? 自分の石じゃないから!?

 いや、石を持ってないやつだっていたんだから関係ない。

 俺、これからどうしたらいいんだー!



「さて、グループごとに別れて、さっそく授業をするよ。保留君は、とりあえずポニーの子と同じクラスで。じゃ、移動開始!」



 保留君って俺の事?

 ポニーの子ってさっきのポニーテールの子だよな?

 そんな事を考えていると、俺は女の子に話しかけられた。



「あの、私、結衣(ゆい)って言います。これからよろしくお願いします」



「俺は麻陽(あさひ)、よろしく」


 簡単に挨拶をした。

 とりあえず授業とやらを頑張ろう。

 俺は自分のクラスに移動した。


 ドアを開けると、そこには知らない女性がいた。



「いらっしゃい。あなた方の担任になった、花音(かのん)です。よろしく」



「よよよよろしくお願いします!」

「よろしくお願いします!」



「じゃあ、そこの席に座って。まずはみんなが持っている石、ミラストーンについて学びましょう。ミラストーンには寄生型と共生型があります。寄生型は、自分のエネルギーを増幅させる事によりミラストーンの力を強め、戦います。寿命が短い傾向です。共生型はミラストーンの力を分けてもらう事により、自分の身体能力を高め戦います。ミラストーンの力は無限ではないので、いつまで戦えるか分かりません」


 うーん……ちょっと難しい。

 石に力を注ぐか、石から力をもらうかって事か?

 ミラストーンって言うのか……。



「重要なのはミラストーンです。同じ術師でも、寄生型、共生型によって戦い方は異なります。まずは自分が何型かを知る事が大事です」



「どどどどうしたら分かりますか?」



「それは、実戦あるのみ! ではさっそく、トレーニングルームで実技の授業をするよ!」


 俺達は、トレーニングルームに移動した。

次回。


俺は先生にボコボコにされる!

そして、周りの生徒からは「能なし」と呼ばれてしまう!

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