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27.お菓子の町

前回のお話。


ドクタータウンを出発した俺達は、次の町を目指す為、列車に乗った。

「お兄さん達、着いたよ! お菓子の町、ボンボンだ」


「ありがとうございました」



 列車を降りると、目の前にはお菓子の家がたくさんあった。


「すっげぇー! これ食べれんのかな!?」


 (はやて)は目を輝かせていた。



「器物損害かな」


「真面目に返すなよ」



「兄さん達、観光かい? よかったら食べてって!」


「ありがとうございます」


 クッキーを二枚もらった。



「うまっ! これ買ってよ!」


「ずっと思ってたんだけど、お金持ってきてないの?」


「ないに決まってんじゃん」


「まじか……」



「お金に困ってるのかい? それなら役場で、仕事を紹介してもらうといいよ!」



「行ってみようか」


「えぇ面倒くさー」


「ほら行くぞ! おばちゃんありがとう!」


 俺は、おばちゃんに場所を聞き、(はやて)の腕をひっぱり、引きずりながら向かった。


――――


 ……コンフィズリー役場。

 ここか。

 ここは和菓子の家でできている。


「いってらっしゃーい」


「一緒に行くんだよ!」


 餅のドアノブを引いた。



「どうした兄ちゃん」


「ん? いや、べたべたしないんだなと思って」


「バーカ」


「初めてなんだからしゃーないだろっ!」



「お兄さん達! 入るなら入りな! 入口で邪魔だよ!」


「すみません!」


「見かけない顔だね! 何のようだい?」


 後ろにいた、おばちゃんに声をかけられた。



「俺達、今旅の途中なんですが、仕事を探してるんです」


「なんだ金欠かい?」


「はい、そうです」


「私はここの受付をやってんだ。ちょっと待ってな!」


 おばちゃんはそう言うと、ドアを開け、受付の棚から分厚い資料を持ってきた。



「そうだね……雑草抜き、おつかい、家事代行……これらが安全な仕事かな。そのかわり安い」


「他には何があるんですか?」


「他ね……建築の手伝い、ギーラ殲滅とかが大変だけど賃金も高い」



「ギーラ殲滅! それで!」


「俺は留守番してようかなー」


「なんでだよ!」


「いや、俺見つかったら面倒じゃん、家出してんのにさ!」



「なぁに、お兄さん達、家出してんのかい!」


「あっ、いや俺は違います」


「でも兄ちゃんなんだろ? 親御さんも心配してるだろうから、連絡くらいしてやんなよ?」


「あっ……はは……そうします」


 もう兄でいいや……。



「兄ちゃん、建築にしようぜ」


「まぁ珍しい建物で興味はある」


「おばちゃん、俺、兄ちゃんと建築の手伝いしたい!」



「あぁ! いいとも! でも重労働だからお兄さんはともかく、あんたは大丈夫かい?」


「問題なし!」


「よし、依頼成立だ! 場所は、ここを出てまっすぐ進んで魚屋を右に曲がったら見えるはずだ」


「ありがとうございます!」

「いってきまーす!」


 俺は、言われた通りの道を歩いて向かった。



 だんだんと建築中の音が強くなってきた。



「ここっぽいな」


「今のところ普通の家造ってる感じー」


 俺達に気づいた40代くらいの男性が、こちらへ向かってきた。



「君達、役場で依頼を受けた人達かな?」


「はい、麻陽(あさひ)です。よろしくお願いします」


「俺は(はやて)


「俺は、ここの責任者の(たつ)だ。よろしく」


「よろしくお願いします」


 俺達は深々とお辞儀をした。



「じゃあ、まずあそこにある木を、見本通りに細く切断してほしい」


 あそこ……。


 指を差す方を見ると、大量の木!

 もうこれだけで家みたいな雰囲気だ。



「こんなの簡単簡単!」


 (はやて)は自信満々で言った。


「かまいたち!」


 あれだけあった木が簡単にスライスされていく。

 しかも風を操り、綺麗に置いていく。



「さすが!」


「これくらい当たり前さ!」


 俺達はハイタッチをした。



「君、アミナスなのか! すごいなぁ! あの量を数分で終わらせるなんて!」


 (たつ)さんは拍手をしていた。

 (はやて)は嬉しそうだった。



「次はこの木を、熱で炙る!」


「はいっ! 俺にまかせて下さい!」


 炙る程度で終わらせる……。


(ブレイズ)!」


 以前の俺なら、灰にしてしまってたかも。

 能力を操れるようになってきた。

 これはこれで、能力の質を上げる作業かもしれない。



「兄ちゃん完璧! うまいじゃん!」


「二人とも素晴らしい! この調子でどんどん進めてくれ!」


「はいっ!」


――――


 それから四時間くらい作業をし、休憩を取る事になった。


「いやー二人とも助かったよ! ありがとう!」


「いえいえ、こちらこそありがとうございます」


 俺達は、(たつ)さんにもらったお茶を飲みながら、椅子……いや、丸太に座っていた。



「俺は昔、アミナスになるのが夢だったんだ」


「そうなんですか?」


 だから俺達の事、嫌がらないのかな。



「でも才能がなかった! そのかわり建築の才能はあったけどね!」


 (たつ)さんは、豪快に笑いながら言った。


 作業着で白髪交じり、ところどころ体も汚れている。

 これが建築者か。

 男の人って感じだ。


 俺が知ってる男の人と言えば……



 お父さん、功見(いさみ)さん、ミスター……。


 研究者かマッチョ。

 どちらにしろアミナス関係の人達しか知らない。

 なんか新鮮な感じだな。



「よし、休憩終わりだ! また頼むよ!」


「はい!」


 俺達がそう返事をすると、急に砂嵐が起こった。



「急になんだ!?」


「ぐぁっ……!!」


(たつ)さん!!」


 あきらかに大きい石が(たつ)さんの背中に当たった。



「兄ちゃん……ギーラだ!」

次回。


俺達の前に現れたギーラは、(はやて)の事が気に入らないらしく、二人は戦う事になった。

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