18.ゴースト
前回のお話。
電気の町に着いた俺達。
明るすぎる町、明るすぎる寝室。
寝る事を一旦止め、外を探索する事にした。
「あれっ、響どこ行った?」
俺は、周りを見渡した。
「チョコじゃない?」
結衣は言った。
「私達も何か探しましょうか、お腹もすいたし」
「賛成」
「ただいま」
「ぅおっ! びっくりした!」
「もしかして?」
結衣は、わくわくしている。
「光るチョコ」
「何それ!? どうなってんの!?」
「分かんない。みんなにあげる」
「おっ、ありがとう」
響はみんなにチョコを配った。
包み紙の状態だと光らないらしい。
遮光カーテンみたいな感じか?
不思議な包み紙だ。
そんな事を考えている時だった。
…………!!
急に周りの電気が消えた。
「なになに!?」
「一……二……三……四……五……五人もいるぅ」
背後から誰かが囁いた。
「……誰だ!!」
暗くて見えない。
みんなはどこだ。
「炎」
俺は、手のひらに少量の火の玉を出した。
「麻陽! だめ! きゃぁあっ!!」
「結衣!? ……いでっ!!!!」
俺は誰かに頭を攻撃された。
「麻陽こっち!」
響が俺の手を引っ張り、走っている。
「はぁっ……はぁっ……響、みんなは?」
「逆方向に逃げたよ」
「そうか……さっきのなんだったんだろうな」
「みんなと合流しようか」
「そうだな」
逆方向ってこっちでいいのか?
俺は響を追って走った。
だんだん目が慣れてきた。
あれっ?
「響、チョコはどうした?」
「チョコ?」
「さっき買ったやつだよ!」
「びっくりして落としちゃった」
「…………なんで逆方向に逃げたの知ってるんだ? 俺は今、目が見えるようになってきたのに」
「足音が聞こえたからさ」
確かに、耳の良い響ならできる。
「……本当に響か?」
「何言ってるの? 俺は響だよ」
「炎!!」
「ぎぃやぁぁっっ!!!!」
「響は自分の事を、『僕』って言うんだ! お前は誰だ!」
「……いきなり攻撃するなんて、ひどいじゃないかぁ麻陽。顔の左側が火傷しちまったよぉ」
顔が溶けて別人になっていく。
女のギーラだ!
着物を着ていて、体が浮いている。
20代くらいか?
「私の名前は、幽華。見ての通り幽霊よぉ」
幽霊なのにスタイルがいいな……。
「あらぁん、あなた素直ねぇ」
「えっ!?」
「幽霊だから頭の中も読めるのよぉ」
厄介だな……。
「仲間は?」
「んふふっ! 分かってるくせに!」
「だったら戦うしかねぇな」
でも、相手はゴースト。
周りがよく見えないのと、攻撃も当たるのかどうか。
そもそも頭の中を読まれてる。
……どうする。
「考えても無駄よ! 私のコレクションの仲間になりなさい!」
コレクション!?
ギーラは両手を広げた。
「蘇生!」
俺の周りの地面から、手がたくさん出てくる。
「ひぃぃっ!!」
骨の死体が五人、俺を囲んでいる。
「炎!」
当たったが効かない!
「あなたも仲間に入れてあげるからねぇ」
やべぇ!
どうする!?
骸骨が襲いかかってくるのを、なんとかかわしつつ作戦を考える。
だけどその作戦が敵にバレてるんだから、これ以上どうしたらいいか分からない。
あっ、そうだ。
「あらぁっ?」
俺は、薙刀で骸骨達を全員ぶっ飛ばした。
紐のついた薙刀は、遠くまで飛ばす事もでき、振り回す事もできる。
「俺に相棒がいたのを忘れてたわ」
骸骨はバラバラになり、遠くへ飛び散った。
「私のかわいい骸骨ちゃん達が!」
「あとはお前だけだ!」
俺は幽華に向かって走った。
「じゃあ、新しい子にしよう!」
新しい子?
「操作!」
さっきと違う言葉だ。
今度は何を仕掛けてくる!?
「激しく」
響!?
「……がはっ!!」
俺は、響の攻撃をかわす事ができなかった。
「なんでっ……」
「寝てる暇ないと思うわよぉ」
幽華はにやにやしながら言った。
「雷撃」
上から雷が降ってきた。
この技は……!
「稀星!」
俺はすれすれでかわす事ができた。
しかし町の一部が壊れてしまった。
結衣に直してもらえれば、なんとかなる!
そういえば結衣は!?
「死体」
この声は結衣!
また骸骨が動き始めた。
この技、初めて見る……。
知星がいない!
どこだ!?
「お嬢ちゃんはここで寝てるわぁ。あら? 心臓止まってるんじゃなぁい?」
……!!
嘘だろ!!
俺は知星のいる方へ走った。
「知星! 起きろ!」
息をしてない。
心臓も動いてない。
嘘だろ……?
「死んじゃったのぉ? 人間って弱いわねぇ」
その言葉を聞いて、俺の中の何かが切れた。
「うるせぇんだよ! くそばばぁ!!」
その瞬間、目の前に言葉がたくさん現れた。
新しい能力!!
「手榴弾!」
俺は幽華に向かって20個ほどの手榴弾を放った。
すると、みんなが幽華を守ろうとする。
「チェンジ!」
みんなと幽華の場所が入れ変わった。
うまくいった!
「あらやだっ!」
そのまま手榴弾は直撃した。
「っぁああああがぁぁぁぁぁぁっつ!!!!」
よし、次だ!
読まれるなら、読まれる前に行動しろ!
「地雷、時限爆弾」
「おぉぉぉぬぉぉれぇぇクソガキがぁぁぁ!!!!」
怒り狂った幽華が、こっちに向かってくる。
「チェンジ」
…………!!!!
大爆発が起こった。
爆弾の性質を変化させ、威力を変化させたからだ。
もう少しで勝てる!
「くそったれがぁぁ…………っっ!!」
幽華は、みんなを自分の周りに集めた。
大丈夫、チェンジがあればなんとかなる。
「なんてね」
「えっ?」
幽華の手には、俺の薙刀があった。
「えっ! ない!」
「せーの!」
その瞬間、薙刀は真っ二つに割れた。
「……っ!!」
「さぁて、みんな行きましょう」
幽華はみんなをつれて、どこかへ行こうとした。
「待てっ!」
「ばかねぇ……」
幽華は不気味な笑みをうかべた。
「雷雨」
無数の雷が落ちてくる。
俺のチェンジじゃ防げない!
このままじゃ知星が!
次回。
意識が遠くなっていく中、操られている仲間が、とどめをさしにくる!




