16.ドクタータウン
前回のお話。
無事に、知星と再会できた俺達!
寧々(ねね)と別れた後、次の町を目指す!
「ありがとうございました!」
俺達は列車を降りた。
ドクタータウン。
医療の町。
そのまんまの名前だな。
まぁその方が、怪我してる人からすれば分かりやすいか。
結衣の役に立つ情報とかあるかな。
「さて、まずは聞き込みだな」
「チョコ」
「あっ! 響!」
「お腹すいたなー! いくらあるかな?」
「おいおい」
「喉かわいたわね。ちい、行こうか」
「行こー」
みんなバラバラ。
まぁ子供じゃないんだから、なんとかなるか。
俺もどこかへ行こう。
――――
想像してた町と違うな。
もっと怪我人や医者が、わんさかしてるものだと思ったけど、むしろみんな元気。
腰が曲がってるじいさんばあさんもいない。
最新医療で健康な町、みたいな感じか?
あそこにいる男の子に聞いてみよう。
「すみません、この町にギーラは来ますか?」
「たまに来るけど、あんた誰だ?」
「あ、俺の名前は麻陽。旅をしながら、ギーラを倒してるんだ」
「あんたアミナスか!?」
「うん、そうだよ」
そう答えると、急に腕を引っ張られた。
「こっちに来て!」
なんだ!?
もしかしてギーラがいるのか!?
俺は男の子に引っ張られながら、科学館のような所に着いた。
「父さん! 獲物を連れてきた! アミナスだ!」
「え、獲物!?」
そこには、ツーブロックで眼鏡をかけた男性がいた。
「仁、お客様に失礼だろ。息子がすみません」
「いえ、ここは……?」
「ここは研究室です。私はここの研究員で、ギーラやアミナスについて調べています」
「えっ、俺のお父さんも研究員です」
「えっ、名前を聞いても?」
…………名前。
…………お父さんの名前?
「すっ……すみ、すみません! 分かりません!」
「えぇっ!?」
「ずっと研究室にこもってたから、お父さんの事あまり分からないんです……」
あぁ……普通、親の名前は知ってるよなぁ……。
仁のお父さんも引いたかな……。
「いやー、うちだけかと思った」
ん?
「仁も俺の名前覚えてないんだ」
「えぇっ!?」
「研究員あるあるなのかな?」
そう言うと、仁のお父さんは笑った。
笑ってもいいのか分からないが、俺も笑った。
多分ひきつってたと思う。
「アミナスだと聞いたが、君はどんな能力を持っているのかな?」
言ってもいいのかな?
敵ではないよな。
「困らせてしまってごめんね。これを見たら安心するかな?」
俺達は外に出た。
仁のお父さんは右手を前に出し、火の玉を出した。
「俺もアミナスなんだ。今は研究を中心に活動してるけどね」
火の能力の人は、学園で見た事はある。
教室が違うから、あまり分からないけど。
実際に目の前で見たのは初めてだ。
「俺の能力は、ギーラのミラストーンを吸収し、自分の能力にする事です」
「興味深い能力だね。ちなみに今は何の能力が使えるのかな?」
「火の能力です」
「一緒だね。ミラストーンは食べるって事? ギーラのミラストーンじゃなく、アミナスのミラストーンでもいいって事?」
「えっと……」
――――
俺達は能力について話し合った。
さすが研究員。
俺では考えつかないアイデアが出てくる。
仁のお父さんは、昔、奥さんをギーラに殺されていた。
自分が守れなかった事を、後悔しているらしい。
それから、自分の能力や血液、発動時の体温、ギーラの性格や解体など、あらゆる研究をしているらしい。
「あの……俺に火の能力を教えて下さい!」
「その変わり、君の事も調べてもいいかな?」
「はい! お願いします!」
俺は、一から能力の扱い方を研究する事にした。
あっという間に時間は過ぎていった。
「ありがとうございました!」
「こちらこそありがとう。検査結果は今すぐには分からないけど、いい研究ができそうだよ」
「家の壁、壊してごめんなさい」
練習をしている最中に壊してしまった。
「壊れたら直せばいいだけさ。麻陽、これをあげるよ」
「これは……ミラストーン!?」
「前に拾ったんだ。何の能力かは分からない。どうする?」
……なんのミラストーンかは分からないけど、欲しかった物が目の前にある。
実行しなければ、きっと後悔する。
「下さい。よろしくお願いします」
俺はおじさんの目を見て言った。
「よし、好きなように使うといい」
……結構大きいミラストーンだ。
俺は、右の手のひらにミラストーンを乗せた。
「吸収」
ミラストーンが体に吸収されていく。
何かが頭に流れこんでくる。
「……チェンジ」
…………何も起こらない。
え、また発動しないの?
そんな事ある?
俺が焦っていると、おじさんが近くに来た。
「何か条件があるのかな? 『チェンジ』って言ってたよね。物の形を変えるのか、個数を変えるのか、性質、場所、いろいろあるね」
さすが研究者。
チェンジって言ったら、別の物に変えるしか思いつかなかった。
「時間はまだまだあるんだ、たくさん修行したらいい」
「はい!」
「いい返事だね」
「麻陽ー!!」
遠くから結衣が叫んでいる。
あ、みんなこっちに走ってくる。
「お友達かな?」
おじさんは、俺を見て笑いながら言った。
「はい……。忘れてました……」
やばい、絶対怒られる。
「麻陽! みんなで探したんだよ!?」
「結衣、落ち着いて」
「あなたは本当に手がかかる子だわ!」
「誰?」
「あ、研究者のおじさん」
「いや、だから誰だよ!!」
おぉ、みんな言葉が揃った。
「俺はここで、ギーラについて研究をしている、功見だ」
あ、功見さんって言うのか。
「麻陽について、調査させてもらってたんだ」
「え、この人大丈夫なの?」
「きい失礼」
「ちなみに君達は、どんな能力をお持ちかな?」
次回。
結衣も研究対象となる!




