13.温泉
前回のお話。
町の人達から嫌われていた俺達は、響と一緒に走った。
そして、響が仲間に加わった。
俺達は、次の町を目指して歩いていた。
「お腹すいたぁ」
「はい、たまごサンド」
「サンキュー」
「私も食べたーい」
「ほら結衣」
「私チョコ」
「ん」
「響ありがとう」
こんなやり取りをしてもう8時間。
そろそろ疲れたな……。
「あ、見えた!」
何やらすごい輝いてる町がある。
「なんか遠目から見てもすごそうな町だけど! とりあえず行こう!」
俺達は町へ急いだ。
――――
「宝石の町、カタリナ。宝石だって」
「宝石より宿、食事、お風呂!」
結衣は俺に言った。
確かに風呂に入りたい。
「食事、風呂つきの宿を探すか」
こうして宿を探す事になった俺達だが、さすが宝石の町、宿代がとても高かった。
「無理だ、金が足りない」
「えぇー!」
野宿するしかない……。
「君達、宿を探してるの?」
「え? うん、でもお金が足りなくて」
そこには、黒髪でストレートの女の子がいた。
「それなら私の家に来る?」
「いいの!?」
「布団は足りないけど、野宿よりはましでしょ? 食事は自分でやってもらうけど、温泉もあるよ」
「お願いします!」
温泉なんて初めてだ!
何より女子達が大喜びしている。
「今、買い出しにきてたところだから、食べたい物があったら買った方がいいよ」
「食事は私が担当するから、案内してくれる? あなた名前は?」
「え? あなたが? 私は寧々。じゃあ行きましょうか」
稀星と寧々は買い出しに向かった。
「あの子、私達と同い年くらいかな?」
「ぶりっこ」
「言い方に悪意があるぞ知星。まぁ声は高かったな。女の子って感じ」
「疲れた」
「響はマイペースだな」
「えっ、麻陽はあの子みたいなのがタイプなの?」
「え? 俺、今まで女の子ってお母さんしか知らないから分からん」
「どんな人?」
「いつも笑顔で元気、たまごサンドがうまかった」
「へぇ! 今度会ってみたいな!」
「殺されたんだ、ギーラに。兄ちゃんも一緒に」
「……」
周りが静かになってしまった。
「……だから、俺はギーラを殲滅するんだ」
「私も! お姉ちゃんを探さなきゃ!」
「私も元の姿に」
「みんな頑張ろう!」
――――
「ただいま~みんな何してんの?」
「頑張ろうって話」
「は? 準備はできたから行くわよ! 寧々、案内よろしく」
「じゃ、ちょっと歩くけどみんなついてきてね」
「はーい!」
それから30分歩いた。
少し山の方へ歩くと、ぽつんと家が見えた。
「ここが私の家! 自由に使って! もう少し奥に進むと温泉があるから」
「さっそく温泉入らせていただきます!」
結衣は走って温泉へ向かった。
「私も」
「いってらっしゃい。私は料理が終わったら入るわ」
「いってきます」
「俺達も後で入ろうか」
「うん」
俺と響は家に入り、寧々の手伝いをする事にした。
食材をしまったり、部屋の掃除の手伝いをしていると、女子達が温泉から帰ってきた。
「ただいま~。次、温泉いいよ~」
温泉の効果なのか、二人ともつやつやしていた。
「麻陽? 聞こえてる? 響と温泉行ってきたら?」
「……あぁ! 響行こうか!」
「うん」
「いってらっしゃーい」
……女子って温泉入っただけで、あんなにつやつやするもんなのか!?
いつもと違って女子に見えた……。
て事は? 俺もつやつやになるのか!
「響! 早くつやつやになろう!」
「ん?」
これが温泉!
すげぇ!
初めて見た!
「響! ……ってもう入ってるー!」
「気持ちいいね」
「俺も入ろ」
俺は、ゆっくり温泉に入った。
「っあぁぁあ! 気持ちいい!」
「おっさんだ」
「ちげぇーし、響はなんで普通に入ってんだよ」
「えいっ」
響が俺にお湯をかけてきた。
「やりやがったな!」
「麻陽、つやつやだよ」
「まじで!?」
「うそ。じゃあね」
「ぬぅぁぁああー!」
「ふふっ」
想像以上に温泉が楽しくて、はしゃいでしまった。
「ただいま~いい匂い~」
「顔真っ赤」
「あなた達、そこで少し休んでなさい」
「はい、すみません」
俺と響は窓際で涼む事にした。
「麻陽、響、お水持ってきたよ」
「ありがとう結衣」
「響にはこれもどうぞ」
結衣は、チョコを渡した。
「結衣ありがとう」
響は嬉しそうにチョコを食べていた。
野宿するかと思ったけど、運よく宿も見つかってよかったな。
横を見ると、知星が寧々と仲良さそうに話をしていた。
「寧々のブレスレットかわいい」
「ありがとう、お気に入りなんだ」
「服もかわいい」
「明日、一緒に服見に行く?」
「うん」
平和だ。
「料理できたわよ! 食べましょう!」
「はーい」
俺達は久しぶりに、平和な一日を過ごした。
こんな日がずっと続けばいいのに。
――――
次の日、俺達は町で聞き込みをする事にした。
この町にギーラはあまり来ないらしい。
来たとしても、弱いギーラばかりだから、町民達でなんとか戦えているらしい。
俺達が探している、ギーラの手がかりはなさそうだった。
「ただいま」
知星と寧々が買い物から帰ってきた。
「知星ちゃんおかえり! その髪飾りおそろいで買ったの?」
「うん、おそろい」
知星、嬉しそうだな。
「これ以上この町にいても何もなさそうだから、次の町に行こうか」
急に風が強くなってきた。
「じゃ、寧々ありがとうな!」
「天気が悪くなってきたから、気をつけてね!」
俺達は、寧々にお礼を言って町を出た。
徐々に風が強くなり、雲も黒くなってきた。
「これ、急がないとまずいかも!」
結衣の言うとおりだ。
「みんな急いで次の町に行こう!」
そのとき突風が吹いた。
目が開けれない。
「みんな大丈夫か!!」
「アミナスいっぱいいるじゃん! ラッキー!」
そこには茶髪で、目が青い少年がいた。
10歳くらいだろうか。
「俺、ギーラなんだ! 今から一緒に遊ぼうぜ!」
次回。
寧々(ねね)と少年の戦い!




