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11.音

前回のお話。


仲間が加わり、新しい町へ向かった。

屋台のおばちゃんから、俺はパパと勘違いされる!

 あれから俺達は、音楽の町を楽しんだ。

 夜はパレードもあってすごかった。



「でも、ちょっと疲れたな」



「いつまでこの音楽続くのかな?」




「あなた達より、背が低い私達の方が疲れた」


「人いっぱい」



「ちょっと静かなところ探すか」



――――


 少し歩くと、俺達は海の見える丘を見つけた。

 少しまだ音楽が聞こえる。



「音楽の町、実は眠らない町だったりして」



「私達、今日どこで寝よう? あそこじゃ寝れなさそう」



「困ったなぁ、寝不足は美容に悪いのに」



「あの人に聞いたら?」



「ん?」


 そこには、ヘッドホンをつけて寝そべってる男の子がいた。



「すみません」



「……」



麻陽(あさひ)、ヘッドホンしてるから聞こえてないよ」



 そうだった。


 俺は、男の子の近くで手を振ってみた。

 すると、男の子は気がつきヘッドホンを外してくれた。



「誰?」



「すみません、近くで静かに休めるところはありませんか?」



「ないかな」


 まじか……。



「ここが一番静か」


 男の子はそう言うと、また寝そべった。

 上を見ると、夜空に星が散らばってとてもきれいだった。



「すげぇ……きれいだ」



「チョコ食べる?」



「ありがとう」


 俺は寝そべってチョコを食べた。

 すると、すごい勢いでこっちに結衣(ゆい)達が来た。



「ちょっと麻陽(あさひ)、何してるの!」



「いやぁ、なんかなごんじゃって」



「それで?」



「ん?」



「泊まる場所は!」



 稀星(きせ)の圧がすごい。



「ないって」



「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」



「うるさいなぁ!」



「きいうるさい」



「だって、もう歩けないよ……」


 男の子は、無言でチョコを差し出した。



「チョコ? ありがとう」



「みんな上見て」



「わぁ、きれい!」



「本当。これなら寝そべるのも悪くないね」


「涼しくて気持ちいい」



 よかった。みんな気持ちが落ち着いたみたいだ。



「ありがとな! 俺は麻陽(あさひ)、君は?」



「僕は(ひびき)



「ここで何してたの?」



「あっちはうるさいから」


 確かに……。



「ここは静かでいいね」



 そう言った瞬間、町の方で悲鳴が聞こえた。



麻陽(あさひ)!」



「あぁ! 行くぞ! あっ、(ひびき)! ありがとな!」



 俺達は急いで町へ向かった。



――――


 俺達が町についたとき、町はめちゃくちゃになっていた。


 建物は壊され、人は建物の下敷き。

 逃げる人達が喧嘩をし、楽器は壊れている。

 火事になっている場所もある。

 急がないと……!!




復元(リストレーション)!!」


元気回復(レタブリスマン)!!」


復元(リストレーション)!!」


元気回復(レタブリスマン)!!」




 まずいな、きりがない。

 ちくしょう……!

 なんでこんな事になったんだ!



雷雨(サンダーストーム)!!」


「電光石火……雷電(サンダーボルト)



 知星(ちせ)! 稀星(きせ)




麻陽(あさひ)! あそこ!」


 結衣(ゆい)が指を指したその先には、ギーラがいた。

 知星(ちせ)稀星(きせ)が戦っている!




「俺も行ってくる! 結衣(ゆい)! ここは任せた!」



「分かった!」


 ちくしょう!

 おまえのせいか!!




(ブレイズ)!!」



「きぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぇえええええええ!!」


 なんだ!


 耳が痛い!!

 頭に響く!!

 この化け物、音を操ってるのか!



 頭が痛くて動けない……!

 知星(ちせ)稀星(きせ)も周波数のせいか、動けなくなっている……!



 くそっ……どうすれば……




「……モスキート」


 この声は!

 (ひびき)!!



「なんで……」



「これ持ってて」


 俺は、(ひびき)からチョコの袋をもらった。

 そして(ひびき)は、ギーラの方に歩いて行った。



(ひびき)! 危ない!」





「さっきからうるさいんだよね。消えてくれる?」


 (ひびき)がそう言うと、ポケットが光った。



 もしかして……!


 その時、またギーラが高音を響きわたらせた。

 俺は耳をおさえた。




静かに(カルマート)


 ギーラの攻撃を簡単に跳ね返した。

 これが(ひびき)の能力!




激しく(アジタート)


重々しく(ペザンテ)


荒々しく(フェローチェ)



 その瞬間、ギーラは激しく地面にめり込んでいく。

 激昂したギーラが(ひびき)に襲いかかる。



「危ない!!」




哀れに(ラメンタービレ)


 目元まで襲いかかっていたギーラの爪が、腕が、体が、全てみるみると崩れ落ちていく。


 (ひびき)は表情を変える事なく、ギーラを倒した。



(ひびき)、ありがとう!」


 ギーラを倒したのに、(ひびき)の表情はどこか悲しげに見えた。



知星(ちせ)! 稀星(きせ)! 大丈夫か!」


 俺は倒れている二人に駆け寄った。




「久々にモスキート音聞いて、頭がくらくらする……」


「頭痛い……」


 モスキート……そうか二人の体は六歳だから効いてしまったのか。




 え? 俺、大丈夫だった。

 まじで? まだ15歳だけど。



「おっさんじゃん」



「こら! 稀星(きせ)!」


 戸惑ってる俺の顔で察するな!



「パパ……」



「だからパパじゃねぇ!」


 そうだ! 結衣(ゆい)



「出ていけっ!!」


 遠くから声が聞こえる。


 声のする方を見ると、結衣(ゆい)が町民から何やら言われているようだ。


 俺は急いで結衣(ゆい)の元へ向かった。

次回。


アミナスはいなくなれ!

(ひびき)の過去!

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