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結局彼は孤高に立つ  作者: ◾️
第二章 二学期
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第十一話 私は。

「うーん、コレにしようかな。いや、コッチにするべき?」



少し赤みがかった髪をする少女は、服屋に立ち寄ってマフラーを見たり、ニット帽を見たりと冬服に執着している。


しかしなぜ、彼女が彼に渡すのだろうか。


そんな愚問にも近い疑問を持った自分に、私は酷く嫌悪感を覚えた。

わかりきっている。

クリスマスにプレゼントを贈る間柄なんて、そんなもの決まっている。

けれど、私の口は嘘をつく。



「なんで、大神君なの?」


「うーん、なんでだろ?助けてくれたから?」



確かに彼女は彼に助けてもらった。それが荒治療だったとしても助けられた事に違いはない。

私の中で弁明やら、否定的な声ばかりが増えて行く。


違う。私の求めた声とは違う。そうじゃない。



「どうしたの?疲れてる?」


「……ごめんなさい。少し疲れてるみたい」


「そっかー。じゃあちょっと休憩しよっか。あそこのカフェでいい?」


「えぇ」



心配そうな顔で覗き込む彼女に、私は不思議な気持ちを感じた。

言葉では言い表せない、そんな気持ち。

不思議と胸が痛くなり、熱を帯び、苦しくなり、破れそうになる。


怒りなのか悲しみなのかさえわからない。

ただすごく苦しい。



「あれ?ライライ?」



瞬間、私の心が軽くなった。否、そう錯覚した。



「お、おう……」


「何してんの?ここコンビニじゃなくてデパートだよ?」


「俺だって偶にはこう言う場所にも来るからな?」


「え?そうなの?」


「おい……。そう言うお前らは何してんだよ」


「クリスマスプレゼント!」


「リア充爆ぜろ」



即答。最早早押しクイズレベルの即答である。

一瞬の神業に私も坂口さんも息を飲む。一体そのリア充さんは彼に何をしたのだろうか。



「あ!そうだ。ライライも一緒にカフェ行く?今から行くんだけど」


「え、いや、遠り━━━━━」


「一緒に行くって!やったねあかりん」


「うん」



先ほどの即答に負けず、彼女もまた速攻で彼の意見を無かったことにした。

これにはあの大神君も渋い顔をしている。



「はいはい、わかったよ。行きゃいいんだろ」


「よしよし」


「ったく。ちょっと冬服見に来ただけなのに……」



彼は悲しそうな声でそう漏らす。昔の彼ならキッパリと断っていただろうが、今の彼は少し他人との関係を改善━━━━━━



「あ」



あぁ、やっと理解した。

あの言葉にできない複雑な気持ちを。


私は大神雷を『同種』と見ていた。

人間関係を築く事に不向き、他人と言うものへの考え方、自分も自分以外をも嫌っている事。

それらが全て私に似ていた。いや、同じだと見えた。


だから私は坂口恵美によって、その彼の考え方や好き嫌いが変わってしまうのでは、と恐れた。

あの時覚えた心は怒りでもなければ、悲しみでもない。アレは『恐怖』なのである。



「大丈夫か、お前?」


「ごめんなさい……ちょっと帰るわ」


「お、おう。気をつけろよ」



彼は不安そうな顔でコチラを見るが、今はそれすらも私の恐怖を増大させる。






私は━━━━━━

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