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結局彼は孤高に立つ  作者: ◾️
第二章 二学期
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第十一話 天宮燈は一人である

自分を知った。

自分が彼に抱く思いを知った。

その思いがおかしい事も知った。


一人、誰もいない部屋でうずくまった。

それぐらいでしか、自分を隠す事ができなかったから。


薄暗い部屋で時間が経つのをゆっくりと待つ。あと五分で私は遅刻だ。

数年ぶりにここまで心が傷ついた。


━━━━━もう、あの時で終わりだと決意したのに。












ーー


時が戻るのは、彼女の記憶の片隅にある年前。


まだ大神雷とも坂口恵美とも会っていない、小学校五年生の時の話である。



その日は唐突に訪れた。いや、昔から計画されていたのが実行された、と言う方が正しいのだろうか。

何しろ、私はイジメの対象になったのだった。


理由は多種多様。どれもこれも筋が通ったモノはない。

テストが毎回100点なのが気持ち悪い、だとか○○ちゃんの彼氏を奪った、だとか。根も葉もないデマに尾が生え、羽が生え、挙句全く別の何かになった。

元々は単なる個人的な恨みも、関係ない人間までそれに乗じ、残りの観戦に徹する者も空気が来れば読んで向こうへと渡る。


そう。小学生のスクールカーストなど、こんなものだ。

誰が悪いのかなんてわからない。いつの間にかそんな大きな話へと変わっていて、元の話なんて誰一人覚えていない。

覚えているのは被害者である私のみ。





━━━━━けれど私は関わりが欲しかった。




一人は怖かった。寂しかった。辛かった。

だから誰でもいい誰かが欲しかった。

守って欲しいんじゃない。一緒にいる、ただそれだけで良かった。


が、その望みも一年も経てば朽ち果てた。

私の中の誰かが言った。

「もうお前に関わりは生まれない」と。

「お前はこれからずっと一人だ」と。


中学でもその形のないイジメは続き、最後の卒業までその呪いは続いていた。


もう、その時には関わりなど欲しくもなかった。一人を好み、静寂を愛する。


それが天宮燈の心の表面だった。












ーー



ふと、目が覚めた。

顔を上げると、目の前には刻々と時を刻む時計が午後三時を指していた。

いつのまにか寝てしまっていたのだろう。さっきまでの記憶がない。


ぼんやりとした頭で、辺りを見回し適当に灯を点ける。眩しい部屋の電気に、少し目を瞑るがそれも時期に慣れた。


固定電話には学校から一件電話が入っていたが、そのまま折り返さず消去のボタンを押した。

今度は携帯を開き、通知を見る。

合計して数十件近くの坂口さんからのメールが来ていたが、これも未読のまま無視する。


私は自分から関係を切るのだ。

もうあの時のような失敗をしたくないから。


電源を切り、ソファーの上に投げ捨てると私は台所へと向かった。適当にココアの元を入れ、ポットでお湯を沸かす。

ポットのお湯が沸き終え、カチッと音が鳴ったと同時に、家のインターホンが大きな音を立てて鳴り出した。



慌てて画面を覗き込むと、そこには一人の少年の姿があった。

ボサボサの黒髪に、死んだような目、そしてカメラ越しで見えない筈なのにコチラを見ているかのような顔。


私は驚くよりも先に恐怖した。

彼の行動に。少し心が安らいだ自分に。


恐る恐る『通話』と書かれたボタンを押し、口を開く。



「な、なんの用でしょうか……?」


「あーいや、別に単なるお使いだ。ここ、入れてくれない?」



少年は指で扉を指して開けてと命じてくる。その命令に、多くの自分が反対するが最後は静かにボタンを押した。


大神雷ならば、私の気持ちをわかってくれる。なぜか、そう思った。








次回日取りより謝辞を先に。


今回、またあの地獄のテスト週間がやってまいりました。

つまりですね。勉強しないとまた同じ勉強を受けることになるので、今回は二週間ぐらい更新ができないかもしれません。

ですが、もしかすると投稿するのでお楽しみに!

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