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結局彼は孤高に立つ  作者: ◾️
第二章 二学期
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第十話 彼女はいつも笑顔である。

 文化祭は良くも悪くも無事終了し、冬休みがただただ待ち遠しい日々へと変わって行った。


 六時間目の日本史の授業が終わり、睡魔との格闘ゲームに無事勝てた事に小さな達成感を得る。

 テキパキと机の教科書を鞄の中へと入れ、最後に消しカスを払い終えたら私の帰宅準備は整った。

 さて、彼彼女はどうするのだろう、と不意に教室の中央と左端に視線を送るとそこには嬉しそうな顔でコッチに手を振る坂口さんの姿があった。



「あっかりーん!今日は一緒に帰ろ!」


「えぇ、私は構わないけど……。あっちの人達は別に良いの?」


「え、うん。美由達は今日カラオケなんだって。私これから用事あるから」



 彼女は嬉しそうな声でそう答えた。

『天真爛漫』と言う四字熟語が似合う少女は、その雰囲気を絶対に崩さない。

 初めて彼女と出会った時とは全く違う。それも彼のせいなのだろうか。



「さ、じゃあ帰ろ!ライライは……ほっといても大丈夫か」


「え、あ、うん。行こう」



 ぎこちない返事しかできない私に、彼女は嫌な顔一つせず手を取って廊下へと引っ張った。

 最後に見えた、教室の端で眠りこく少年の姿はどこか小さな子供のように見えた。















 ーー



「ねぇあかりん。今日この後用事ある?」


「いえ、ないけど……」


「じゃあ私の用事に付き合ってくれる?」


「なんの用事?時間がかかるのなら、やめとくけど」



 うーんっと彼女は思案し、「まぁ大丈夫か!」と手を打ち爽やかな笑みを浮かべて答えた。

 やはり坂口恵美はいつでも楽しそうである。



「もう12月でしょ?だったらそろそろ時期的に、ね?」



 今日が確か12月10日。時期的に、と言われれば思いつく限りでは一つしかない。



「それはクリスマスって事?」


「イエス!」


「それはわかったけど、家族にあげるの?その、プレゼント」


「えっ……」


「えっ?」



 彼女の顔は『あげる人がいないのに買いに行こうとしているクリボッチ』ではなく、『そんなの決まってるじゃん!』であった。

 故に彼女が言いたいのは━━━━━━



「渡すのってライライ以外に誰かいるの?」



 真顔で、平然と彼女はそう言った。

 クリスマス、楽しそうに見えて裏は刺々しい。それがこの世界の常識でもあるのだろう。



 少しだけそう思った。




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