表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
結局彼は孤高に立つ  作者: ◾️
第一章 一学期
18/44

第十八話 山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる

「もう一度言う。嫌だ」


「……何でだ?何が不満だ?」


「何が不満だってお前。何もかもに決まってんだろ。俺らは帰宅部であって負け犬部ではねぇんだ。逃げる手段として使うんじゃねぇ」



軽く動揺する柊木君を他所に、彼は淡々と愚痴を言う。坂口さんの時と同じように彼の声はいつもより低く、口調は強くなって行く。私も坂口さんも柊木君の肩を持つ事も、大神君に力添えする事もしない。ただ黙って彼の後ろに立って聴いている。



「まぁ実際、俺はあの部でボールの一つも触らしてもらってない。と言うか部員ですらねぇから、あの練習がキツイとかキツくないとか言える立場じゃねぇのはわかってる。けど逃げ道として俺らはこの部をやってるわけじゃねえんだよ」


「……なら、何の為にやってる?ただ帰るだけの部活だろ?」


「おいおい、帰るだけならこんな時間まで学校に残ってるわけねぇだろ」


「じゃあ、何をする部活なんだ?」


「まぁアレだ。社畜ってヤツだな。あの先生の気まぐれでポンポン仕事入れられて、したくもねぇダルい仕事ばっかしやらされる部だ」


「何言ってんだ、お前?」


「お前が入りたいって情願する部の仕事内容だ」



どっちかと言うと仕事内容じゃなくて、彼の愚痴でしかないような気もするが、彼なりに説明した結果が今のなのだろう。つくづく面倒な人間だ。根が腐っているどころか、もういっそのこと燃えるゴミで処理してしまっても良いほどだ。坂口さんの時もそうだったが、彼は他人のことなど一切無視だ。



「もう一回結論を言おう。テメェが今の現状で帰宅部に入るのは、元からいる俺や天宮に失礼極まりないからUターンしろって事だ」


「えっ?私は?」


「入りたてのヒヨコが何言ってやがる。今日からお前、部活の時はピヨピヨしか言っちゃダメな」


「えっ?何で!?急過ぎでしょ?!」


「おい、なに人の言葉で喋ってんだ?鳴けよ」


「あ、あかりん助けてー!」


「……柊木君、彼が言ってる事は正論だわ。ちゃんと筋も通ってる。だから今は入部する事は許されない。あなたが次また入りたいと言って来るなら、その時は多分彼も賛成するでしょうね。なにせ、唯一の友達みたいだから」


「完璧なるMU☆SHI!!」



そう言って私は話を締める。彼が賛成するか否かはわからない。けれど、多分彼は承諾するだろう。彼は人間と言う生き物は嫌いでも、個人個人を嫌っているわけではない。柊木君が逃げずに立ち向かえば、彼は柊木君を認めるだろう。



「あ、ごめん」


「反省の色がないね!」


「まぁ、そう言うわけだ。あとはテメェで何とかしやがれ」


「……わかった。もう一回、頼みに来る時は受け入れてくれよ?」


「多分そうするハズだと思う気がする」


「何その適当さ!?」



彼は再びズボンのポケットに手をしまい、ダラダラと歩き始める。坂口さんが走って彼の横に追いついて、さっきのヒヨコの話を抗議して論争する。多分坂口さんの奮闘はあと三分持つか持たないかだろう。彼女の手助けに行かないと、人権すらヒヨコと同等扱いされてしまう。けれど私はそれ以上に気がかりな柊木君に意識を向けた。所詮、誰でも嫌なことからは逃げたいのが本音だ。故に彼が肩を落とすのも無理はない。けれど落としたまま一人孤独に立ち尽くすのとは話が別である。立ち尽くす暇があるのなら、頭を使え、体を動かせ、血を巡らせろ。━━━━━━━だから、私は彼の背中を押した。



「入部希望なんでしょ?なら、洗礼を受けないと」


「アイツの洗礼とか、ヒヨコ扱いの方がまだマシだな」


「ふふ、もうヒヨコの席は埋まってるから次はカエルとかもね」


「あの蛇に喰われるなら、天宮に喰われた方がまだマシだな」


「そう?私、シマリスって彼に言われたわよ?」


「良いじゃねぇか。ヒヨコとかカエルなんかより数倍マシだな」


「シマリスの常食ってネズミの脳みそらしいわよ」


「えっ……」



それだけ言うと、私は今にも泣きそうな表情でコッチを見て来る坂口さんの所へと駆け足で向かった。
















ーー





あの日から数日が経ち、今日は初日に言われた公式戦の日。私と坂口さんはマネージャーとして、大神君と柊木君はベンチメンバーとして会場に入場した。



「それじゃあ、今日は言っていた日だ。主力の三年はいないが、新チームでの前哨戦と思え」


「「「はいッ!!」」」


「さぁ、正念場だ柊木?」


「おう!!やってやるぜ!」




ピーッ!と大きな笛の音が体育館に鳴り響き、柊木君の正念場と大神君の大神君による大神君の為の試合がスタートした。











はい!どうも!■です!


し、シマリス怖ぇ……!!たまたまネットで見つけたのでネタにしたんですが、初めて知った時は「怖ッ!」としか思わなかったですね(笑)


因みに名付け親はライライで、他の方々はこうだそうです。


ライ→ホワイトタイガー

あかりん→シマリス

恵美ちゃん→ヒヨコ

柊木冬馬→ゴリラ

朝倉先生→ゾウリムシ


ってことらしいです。文句、感想があればドシドシ書いてください!次回は明後日金曜日の夜九時です!お楽しみにー!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ