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結局彼は孤高に立つ  作者: ◾️
第一章 一学期
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第十九話  反撃の狼煙

ピーっと笛が鳴ったと同時に、歓声が上がり試合が開始した。大神君と柊木君、どちらもベンチスタート。私が見る限りでは、ボケーッとしながら真顔で試合を観戦している。試合をしたそうにしているか?と問われたら、私は迷わずこう答えるだろう。


絶対にない、と。



「あかりん、アレ何だと思う?」


「さぁ?魂が抜けてるんじゃないの?」


「何それ……」


「ま、見てたらわかるでしょ」



嫌な予感しかしないが、どうせ彼の事だ。何かしらの秘策やら考えやらがあるはずだ。その望み薄な希望にマネージャーとして少しは期待しておいても損はないだろう。そんな風に考えながら、目の前の暑苦しい試合をマジマジと見つめる。敵チームと自チームがお互いに点取り合戦を行っている中、そんな事を他所に彼は瞑想と言う名の睡眠を取っていた。














ーー


試合は前半戦の第二クウォーターが終了し、今は十分間の休憩時間だ。点数は25対38と負けていて、残りにまだ半分も残っているのを考えるとピンチなのは確かだった。私と坂口さんは次から次へと戻ってくる部員の先輩達に水筒とタオルをテキパキと渡していた。そんな中、戻って来た先輩が一人、いや二人が足から崩れ落ちた。



「えっなっ!?ちょっ!!あの!?」


「ッ……!!は、腹が!腹が痛ぇ……!!」


「ウッ!?俺もだ……!」


「え?何?どうなってるの?」


「わ、わかんないよー!」


「━━━━何があった?!」


「急に腹痛を訴えられて……」


「腹痛?!」


「先生……!すみません!ヤバいです」


「ッ……!止むを得ないか……」



ホント何をしているのだろう。ギャグマンガよりタチが悪い。なんでってこれ全部彼が仕組んだものだから。想像の域を出ていないし、証拠もないからこれが真実だとは言えない。だが、今から話す推測は完全に外れてはいないだろう。


まず数日前私たちが高東先生と会った時、高東先生は彼と柊木君に対し試合には出さない。また二人は雑魚だと罵った。━━━━これに腹を立てたことが今回の動機である。そして次に先輩達がなぜ腹を崩したのか。こっちは単純明快、彼が下剤を水筒の中に入れたのだ。6人の内2人、彼からすれば誰が倒れようと関係ない。「ドンマイ。君の運命が悪かっただけだよ」と思ってくれてたらまだ良いほうだろう。だから、今の彼の表情は物凄く達成感が満ち満ちている。



「仕方ない、か。喜べ、君たちに日の目を見る時が来たぞ」


「は、はい!!」


「日の目を見るより、月を見たいね」


「ライライ、何を言ってるの?」


「気にしちゃダメだと思う」



彼と柊木君は上着をバサッと脱ぎ捨てた。もちろんその服を拾うのは私達なので、軽く舌打ちをした私は悪くないと思う。














ーー


そして待ちに待った後半戦が始まった。


開始の笛が鳴り、自チームの人からボールがスタートする。単純なパス回しから攻め込もうとした瞬間、大神君の所にボールが回った。二年生からはミスったと言う雰囲気が、坂口さんからは「あ、やば」と言った声が漏れている。大神君はそんな彼ら彼女の期待に答えるようにニヤっと笑う。彼はそのままシュートを打つ構えをとり、ロングシュートを放った。



━━━━━ボールは山なりの孤を描きながら高々と上がり、ゴールにスポッと綺麗に入った。



「入るのだよ……だよ……だよ……だよ……」


「なんでエコー!?」




これが反撃と彼の暴れる狼煙となった。



















はい!どうも!■です!


遅くなってすみません。


さて、次回の話です。次回は金曜日の夜九時を予定しています。お楽しみに~!

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