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結局彼は孤高に立つ  作者: ◾️
第一章 一学期
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第十七話 世の中よ 道こそなけれ 思いひる

今日はギャグかーい!前半だけだけどね。

「それ、本当なの?」


「うんー。確か彼って部で一番弱いとか、なんとかって」


「あれ?知らなかったの、お前」


「誰も何も言ってなかったじゃない」


「いや、そこはマネージャーとして動いてるかなーって思って」


「私、あの部活で喋った事すらないのだけど?」


「それは知らねぇよ」



同じ学年の人がいない上に、先輩達も一緒に大神君がいるからどちらかと言えば恐れられてるし。前に物の場所を聞いた時なんて、次から次へとたらい回しにされて最終的には先生の所にまで行かされた。って事は、コレ大神君のせいだよね?



「けど、大神君のせいね」


「また俺!?」


「ねぇ、大神君。あなたまた上級生と揉めたでしょ?」


「も、揉めてねぇよ」


「嘘はダメだよ、ライライ。一週間前に生徒会に呼び出されてたじゃん」


「あ、あれはその……部活のアレを出しに行ってたんだよ」


「じゃあ何で生徒会の人全員が次の日休んだの?」


「さ、さぁ?風邪でも引いたんだろ、きっと」



あぁ、それなら私も聞いた事がある。朝倉先生が似たようなことを言っていた。確か先生が言うには、生徒会に部室の快適性を求めるとか何とか言ったらしいが、部費や学校から出る費用等の問題で無理とハンを押されたとの事だった。まさか、そこで彼が生徒会を潰すとは思ってもいなかったが。



「何を求めようとしたんだっけ?」


「部室の中のいらない物を全て他の教室にどかすのと、エアコンとか長机とかを置かしてもらおうとしたんだけど、金が無いの一点張りで。その上、副会長か書記のどっちかが君が全てを払えばいいよーなんて言い出したんだよ」


「ふんふん、で?なんで全員休むまで行ったの?」


「えっ、その後もそいつらがグチグチ言い張るから論破してやったんだよ。ついでに生徒会が隠れてやってた事もバラすぞ?って脅して答えを聞く前に帰ってやった」


「つまり、言葉でひたすら殴ったと」


「因みに生徒会は何をしてたの?」


「予算の内の何割かを自分達のお金にして使っていやがった」


「政治家ね、それじゃ」


「どう言う事?黙って城崎温泉に行ってたって事?」


「何で先に城崎温泉が出てくんだよ。そこは号泣会見が先だろ……」



もう一年も前の話なのに、未だにその熱は止まない。と言うか、生徒会は何をしてるのだろうか。号泣会見でもしたいのか?それよりなぜ大神君にバレた。もっとこう努力しろよ、生徒会!



「なんか、あかりん怖い顔してるよ?」


「あ、ごめんなさい。別にちょっと生徒会に苛立ちを覚えただけだから」


「どうせ、何でライライにバレるようなことをした!とかでしょ?」


「………いや、その」


「図星じゃねぇか。それに俺が調べたんじゃなくて、朝倉先生が前々から不審がってたからカマかけたんだよ」


「またあの先生か。凄いなぁ〜最近の先生であんなに熱心に取り組んでるのって」


「そらまぁ、好きなんだろ。子供が」


「私達子供じゃないよ?」


「頭脳は子供だけどね」


「あかりんッ!!」


「頭脳どころか精神年齢も同じだろ」


「二人揃ってもう!!」




そんな感じでグダグダと下校していると、少し前を柊木君が歩いていた。部活の人とも帰らず、一人でポツポツと下を向きながら彼は帰っていた。それに気づいた私と大神君は、少し歩く速度を上げて彼の近くまで近づいた。寂しそうに帰る彼の後ろ姿をひとしきり見た後、大神君はそっと彼の肩に手を置いた。



「よう、柊木!なんだ?一人で帰ってるのか?」


「!?おぉ、大神か。それと天宮さんと、坂口さんか」


「部活お疲れ様」


「……あぁ、ありがとな」



挨拶がわりに部活の事を混ぜると、柊木君は少し曇った顔で礼を告げた。大神君の限界以上の演技のおかげで彼との接触を成功したのだ。私も彼にずっと任せる訳にはいかない。けれど、坂口さんはそんな柊木君の様子より大神君の演技(気づいていない)に絶句し、なんて口に出そうか迷いに迷ってどこかに気が飛んでいる。



「……ねぇ、あかりん。今のライライって誰?」


「誰って……大神君の渾身の演技よ。彼があんな風に人と話せるわけがないじゃない」


「だ、だよね〜」


「なんか言ったか、お前ら?」


「何も言ってないよ!それより、柊木君も一緒に帰ろうよ!一人じゃ寂しいでしょ?」


「お前らが良いなら俺は構わないが」


「そっか。なら問題ないね!ようし!一緒に帰ろう!!」



坂口さんが先導して、彼を私達の横まで引っ張って来る。やはり彼女はこう言った仕事が似合っている。誰からも嫌われず、恨まれず優しく接する事ができる。それは演技や建前じゃなくて、素で本音だ。だから彼女は敵を作らない。本庄さんが彼女をいじめた理由は、坂口さんが言わないから私も彼も知りはしない。だけど、その理由も大した理由ではないだろう。


彼女が持つその才能は私や彼には手に取る事すらできない。その理由は酷く汚れて、みすぼらしい理由だが。



「なんか良い感じのムードになってる所悪いんだけど━━━━━━━━━俺もお前らの『帰宅部』に入部してもいいか?」



彼は今まで誰にも言わずただ自分の中に溜め込んでいた思いを、少しだけ外へと漏らした。同じクラスメイトだからか、バスケ部に仮だが入部しているからなのか、それともただ喋れる友達で気が乗ったからなのか。彼はそのどれかの理由で緩まった心の蓋を、自分自身から逃げる為に軽く開いた。だがその言葉を聞いた彼は━━━━━━━━、



「嫌だ」



その一言で一蹴した。

少し暖かくなった夕暮れが、時期を忘れたかのように寒く暗い冬に巻き戻った気がした。









はい!どうも!■です!


さてさて、柊木の助もなんだか心境がグラグラしてますねー。ライライ、精神までおっちゃいかんぞ……!


次回は水曜日の夜9時です!

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