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迷宮アカデミア ~咲き誇れ、きざはしの七花~  作者: 悠戯
最終章『咲き誇れ、きざはしの七花』

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ラストメンバー

本日二話目の更新です。

順番飛ばしにご注意ください。


「う、うぅん……あれ……わたし?」


 今度こそ本当に最後の大ゲンカを始める直前。

 不幸なアクシデントで倒れてしまったルカも目を覚ましたようです。



「やあ、おはようルカ君。調子はどうだい?」


「えと、おはよう、レンリちゃん……それより、わたし何で寝て……」


「普段ならもう床に就いてる時間だろうからね。ふと気が緩んだ瞬間に睡魔に負けるなんて、よくあることさ。うん、よくあるよくある」


「そ、そうかな……そうかも……?」



 幸か不幸か、ルカは胴上げの件を覚えていない様子。

 元はと言えば調子に乗ったレンリが悪ふざけで提案したせいなのですが、これならば上手く誤魔化されてくれるでしょう。真相を知っているルグが隣で複雑な顔をしていますが、無理に思い出させてもルカの心労を増やすだけだと考えたのか、特にネタバラシをする気はなさそうです。



「それで、あの……今は」


「ああ、ラメンティア君には全員めでたく合格点をもらってね。試す云々についてのターンはもう終わったんだけど、どうもまだ戦い足りてなかったみたいで」



 目的らしい目的がある戦いはもう終わっています。

 少なくとも今日のうちは、生き死にの心配をする必要はありません。


 が、それはそれとして。


 勝敗が有耶無耶のままでは、どうにも据わりが悪い。

 もしくは単純に気力体力を持て余していて戦いたい。

 どちらが勝っても負けても大勢に影響はないけれど、どうせなら最後を勝利で飾って今日という日を気分よく終えておきたい。そんな提案に乗っかった頭のおかしい連中が一人二人ならずいたのです。



「はっはっは、ただ勝てば気分が良いだけの戦いか! 守るべきものがあれこれ増えるのが嫌とは言わぬが、あまり真面目な雰囲気だと純粋に戦いを楽しむというわけにはいかぬからな」


「ん。これくらいがいい」



 まずシモンとライムは大喜びで参加を表明。

 世界の行く末だの何だのといった事情は、戦闘を楽しむ上では本来余分な不純物。

 そういった真面目な話題が一段落した今ならば、さっき以上に楽しい戦いができそうだと大いに張り切っておりました。



「ラメ子、もう悪いことはしないんだろ? じゃあ、わたしはもういいや」


『すいません。我々はパスということで』



 先の二人とは反対に、ユーシャとゴゴは不参加。

 世界や人々を脅かす相手ならばともかく、ただ趣味的に楽しんでいるだけなら勇者が戦うべき場面ではないと思ったようで。元々ユーシャは戦闘そのものに熱狂するバトルジャンキーの気は薄いですし、そういう事情なら無理に戦わせる必要もないでしょう。ゴゴも相棒の判断に付き合うようです。



『もちろん我は戦うのよ! さっきは気付いたら終わっちゃってたし、まだ全然戦い足りないの!』


『それじゃあ、我はお姉ちゃんのサポートかしらね? 余裕があれば援護射撃くらいするかもだけど』


『じゃあ、モモも基本はサポート寄りでいくのです。同じく、余裕があれば一発くらい記念に殴っておきたい気持ちはありますけど』


『くすくす。お姉様方は元気がよろしいですねぇ』



 迷宮達は先程と同じく、ウルを中心とした作戦でいくようです。

 戦況次第で直接的な攻撃に出る可能性はありますが、ヒナとモモはそれぞれの能力でウルの強化を。うっかり破裂しないよう、ネムが『復元』で常に肉体の形状を維持し続けるという例の必殺技を使うつもりなのでしょう。


 さっきはラメンティアに真似されてしまい、今度こそは真似のできない新技をとレンリの知恵を頼ったせいで大変な状態になってしまいましたが、色々あって交渉の末に同じ技の使用を差し止めることに成功しています。これならば十分に活躍の目もあるはずです。



『委任。応援。我はサポート寄りの能力じゃあないからね。そういうのはお姉ちゃん達に任せて大人しく見学していることにするよ。実況解説なりリアクション役なりでの活躍に乞うご期待ということで』


『我も、ケンカはあんまり……』



 姉妹の中でもヨミとアイは不参加側。

 素の肉体スペックだけでもある程度戦えるとはいえ、これほどレベルの高い戦闘で活躍するのは難しいだろうと大人しく引き下がった形です。特にアイはまだまだ戦闘経験も少ないですし、時には力不足を認めて引き下がるのも立派な判断。別に恥ずべきことではないでしょう。




 ◆◆◆




「……と、ざっくりこんな状況だね。一応聞くけどルカ君も仲間に入れてもらう?」


「ええ……む、無理……死んじゃう」


「そうかい? ルカ君なら案外良いセンいくんじゃないかって気もするけど、まあ無理強いするものでもないからね」


 パワーだけなら実はダントツで一番強い可能性もありますが、メンタル面が戦いに向いていない以上は仕方がありません。レンリとしても冗談半分で勧めただけで、本気でルカを戦わせたいわけではないのでしょう。


 ちなみに、言うまでもなくレンリは不参加。

 こんな異常な戦いの最前線にノコノコ近付いたりしたら、命がいくつあっても足りません。もっとも、手出しはせずとも口出しに関して遠慮するつもりはなさそうですが。



『くかかっ、準備ができた頃合いのようだな? ちなみに悪は途中参加も大歓迎だ。なるべく卑怯な不意討ちを期待しておるぞ』



 ともあれ、これでひとまず最後の戦いに参加するメンバーは出揃いました。

 シモンとライム。ウルと、状況次第でヒナとモモ。

 誰一人とっても一騎当千どころか当億だか当兆だかも分からない面々ですが、なにしろ相手はあのラメンティア。複数人でかかっても楽に勝てるとは思えません。


 しかし、最悪勝てずともいいのです。繰り返しになりますが、これは世界の命運や人々の命が懸かった戦いではありません。


 勝てば嬉しい、負ければ悔しい。


 最後に勝って気分よく明日を迎えられるかどうか。

 ただそれだけのケンカでしかないのです。



『くく、くかかっ! さあ、これで本当に最後の最後だ!』



 勝っても負けても、これでおしまい。

 最後の戦いが始まりました。



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