↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界で最も恐れられる男は、ただの会社員だった  作者: パルパル


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
18/21

第17話 二度目の現場

「黒瀬、準備はいいか」


真壁の声に、悠真は緊張しながら頷いた。


「はい」


今日は二度目の現場任務だった。


前回と同じく、悠真の役割は後方からの記録と連絡。


ただし、今回は事前に周囲の地図や退避経路を確認していた。


真壁から教わった訓練も、少しずつ続けている。


「前回のことは覚えているな?」


「はい。勝手に動かず、異常があればすぐ連絡する」


「そうだ。危険を感じたら、任務より自分の安全を優先しろ」


「わかりました」


久世も同行する。


今回の目的は、ある倉庫に出入りする人物の確認だった。


不自然な送金に関わる企業の関係者が、夜間に何度も倉庫を訪れているという情報があった。


⸻


午後九時。


悠真は倉庫から少し離れた建物の陰にいた。


端末には、確認すべき人物の特徴が表示されている。


「対象と思われる車両が到着しました」


『確認した。ナンバーを記録してくれ』


真壁の声が返る。


悠真は車両の情報を入力した。


しばらくすると、倉庫の扉が開いた。


二人の男が出てくる。


そのうち一人が、周囲を警戒するように何度も振り返った。


「真壁さん、倉庫から二人出てきました。片方は周囲を警戒しています」


『了解。距離を保て』


悠真は指示どおり、物陰から様子を確認した。


そのとき、背後で小さな物音がした。


振り返ると、作業着姿の男が立っていた。


「ここで何をしている?」


悠真の心臓が跳ねた。


「人を待っています」


「こんな時間に?」


男が近づいてくる。


悠真は一歩下がった。


以前なら、どうすればいいかわからず固まっていたかもしれない。


しかし、今回は違った。


「すみません。失礼します」


悠真は相手との距離を保ちながら、その場を離れた。


すぐにイヤホンへ連絡する。


「真壁さん、近くに不審な人物がいます。こちらの位置に気づいた可能性があります」


『了解。無理に確認するな。そのまま離れろ』


「わかりました」


悠真は退避経路を使って移動した。


その後、久世と合流することができた。


⸻


任務終了後。


車内で真壁が尋ねた。


「さっきの男に接触されたとき、どうした?」


「距離を取って、その場を離れました。それから報告しました」


「前回よりはいい」


「ありがとうございます」


「まだ十分とは言えないがな」


真壁は前方を見たまま続けた。


「現場では、何も起きないことが一番だ。無理に成果を出そうとするな」


悠真は頷いた。


二度目の現場も、怖かった。


それでも、前回より落ち着いて行動できた。


少しずつではあるが、自分も変わっている。


悠真はそう感じていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。