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異世界に導かれし者  作者: NS
第2章 聖都アストレア
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2-23 未知との遭遇2

「すいません。ジャイアントボアトロールの討伐依頼を受けてきた冒険者ですが、村長さんはいらっしゃいますか?」



 宿屋を出た拓海達三人は予定通り村長の家に来ていた。



「おぉ、よかった……伝えたいことがあったのでな。さぁ、お入りください」



 戸をノックして暫くすると、一人の七十歳は越えていそうな老人が冷や汗をかいて慌てて出てきた。


 その村長の慌てるような様子を見た三人は顔を見合わせ、不思議に思いながらも家に上がった。


 それから三人は挨拶と、ジャイアントボアトロールがいるという森のことについて軽く聞こうと村長の家に寄ってみたわけだが、どうやら村長は伝えておいた方がいいということがあったらしい。



「いやはや、あなた方が森に行く前で良かった……」



 一安心したような村長を見た拓海は依頼書に書いてない重要なことでもあるのか気になり早速尋ねてみた。



「何か森であったんですか?」


「具体的には何が起こったのかは、よくわからないんですがねぇ……」



 村長の話によるとここ二、三日ほど前から森が静かすぎるらしい。村の体力がある若者数名で森の偵察に行ったところ、不気味なことに生き物の気配がしなかったようだ。


 唯一、森の中央にある泉でジャイアントボアトロールが水を飲む姿を確認しただけで、一度も他のモンスターとは遭遇しなかったという。偵察組は気味が悪くなって早々に引き返したようで、モンスターともし遭遇した場合戦う手段がない彼らは賢明な判断をしたといえるだろう。



「確かにおかしいな……。だけど、急にモンスターがいなくなるなんてことあるのか?」



 村長の話を聞いた拓海は怪訝そうな表情で二人に尋ねた。



「ん〜、ジャイアントボアトロールに他のモンスターが怯えて出てこないとか?」


「森で何が起こっているのでしょうか……」



 二人もそういう状況に遭遇したことがないのか、やはり分からないようだ。


 それから情報をもらった拓海達三人は一旦村長と別れて、もう一度装備を確認して村から歩いて三十分くらいの所にあるジャイアントボアトロールが生息している森に向かった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「これは……」


「うん……」


「やはり様子が変ですね……」



 何事もなく森の入口に着いた拓海達三人はさっそく違和感を感じとっていた。どうやら森の様子は村長に聞いた通りで、モンスターの声などは一つも聞こえなく、風で擦れ合う木の葉の音が聞こえる。


 やはり静かすぎるこの森から不気味な雰囲気が漂っていた。


 しかし、とりあえずジャイアントボアトロールはいるようなので拓海達は意を決して森の中に入ることにした。



「とりあえず行ってみよ二人共!」


「そうだな」


「はい……」



 胡桃の声にいまいち不安が拭い去れない様子の拓海とアイリスは返事をした。


 それから敵の気配をいち早く察知出来る胡桃が先頭で、胡桃までとはいかないが敵の気配をそこそこ早く察知出来て、防御系の魔法が豊富な水魔法が使える拓海が殿でアイリスが真ん中といういつもの陣形で警戒を怠らないように三人は森に入っていくのだった。

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