女の過去編 3/4
師匠は最近ずっと横になってる。起き上がるのが辛いらしい。
せっかく15歳が最適って導き出したのに。
それだけじゃない。生物は当然だけど、地球の物体がこちらにくるにはとてつもないエネルギーがいることまで突き止めた。本当にこれは大発見だった。
人間だけを呼び寄せれば、今までみたいに一人に魔術師何人もなんていらなくなった。
一人で一人は呼べる。
たまに来た瞬間死んじゃうこともあるみたいだけど、師匠のおかげで随分転移魔法は進歩した。
まだまだ発展の余地はあるはず。
なのに、師匠は研究のことは全く話さなくなった。
ただこれからもちゃんとカリグス様のお参りは続けることと、師匠の願いをちゃんと伝えること。あと死んだ後の師匠をどうするかを何度も何度も言う。
忘れちゃったのかな。私かなり知力高いんだけど。
一度言われたら覚えてるのに。
師匠が死んだら――できるだけ死んだ瞬間に氷漬けにしておいておく。
溶けないように毎日凍らせる。
「ね?ちゃんと覚えてるでしょ?大丈夫だから安心して。だからなるべく見てるときに死んでくれたらありがたいかな」
じゃないと瞬間が難しいもんね。
師匠は眉間にしわを寄せながら笑うという変わった顔をした。
「……仕方ないね」
それが最後の言葉だった。
さすが師匠。お願い通りに見ているときに死んでくれた。頸動脈に指を置き、脈が止まったと同時に氷漬けにした。
ほらね。ちゃんとできたでしょ?
他のことだって、ちゃんとできるんだから。




