びりびり
「えっと、じゃあ……帰るね」
出されたお湯を飲み干して、完全食を三つも食べたらすることはもうなくなった。
「ちなみに迷わずに帰れるとかは?」
「ない。私以外は迷うようになってるの」
「ですよね。ま、仕方ないね。ごちそうさまでした」
「お土産に持って帰る?」
いらないって言う前に目の前に皿ごと差し出されてしまった。
「お皿もらっても返せないかも」
今日はたまたま来れたけど、次確実に来れるとは限らない。
「お皿はあげないよ?いるだけ取って」
「……袋かなんかほしい」
まさか両手に持って帰らせるつもりだったのだろうか。
みたいだね。はっとしてたから。
「はい」
「……ありがとう。でも全部もらっちゃったら君の食べる分がなくなっちゃわない?」
「また作るからいい」
「じゃあ全部はいらないよ」
返そうとしても受け取ってくれない。
え?処分で渡してないよね?お土産だよね?
「それ、特に美味しくないから持って帰って」
処分じゃん。
「いつもはもっとおいしいの?」
「もうちょっとマシ」
「自信作って言ったのに」
「基本は自信作。これは失敗しただけ」
お土産の概念をことごとく壊してくれる人だ。
「じゃあもらっていくね」
「うん。一日一個でいいから。三個は食べすぎ」
「……食べてるときに教えてほしかったな」
道理でお腹がパンパンだ。
微妙な気分になりながら玄関から出る。
「じゃあ、ね」
「あ、待って」
一歩進んだところで引き留められた。
「一緒にそこまで行く」
「いいよ、ここで」
「私と一緒じゃないとまた雷くるけど?」
「さっき止めてくれたのに?」
「時間がたったから復活してる。せっかく自動で発動するようにしてるのに。とめるのって面倒」
なるほど。
「あ、でも外行くのもしんどいなぁ」
「そこじゃん!?」
「ちょっと太陽が厳しいかも」
「がんばろう?」
悩んだ末にお見送りしてくれる方を選んだみたい。
思いっきり嫌そうだけど。
「そうだ。私天気変える魔法使えたはず。えっとあれは…」
「ここまででいいよ。お土産ありがとう」
「え、でも雷」
「死なないから大丈夫!じゃあね」
案の定雷に打たれたけど、心構えしてたら大丈夫。
「遠くに離れたら止まるから!」
「わかった!ありがとう!!」
びりびりしながら手を振ったよ。
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