朝食の時間
朝になり、漆紀は目を覚ます。
時刻は午前六時三十四分。
小太郎と陽菜は既に起きていたからか、一階から話し声が聞こえる。
隣にいる彩那は、未だ眠ったままだ。
「さて、今日はどうするか」
漆紀は今日の行動を考えるが、無難に昨日と同じように過ごすかと結論付ける。
そのときふと、先程まで見ていた竜夢の内容が頭に過る。
(独身を選ぶ、か……まあ考えてはいたけど、そんな未来も確かにあるんだな)
漆紀はそう思い返すが、やはり心のどこかで「それはない」と否定する部分がある。
(でも、やっぱり将来的に、俺は誰かと結ばれたい。そんな気持ちはある……あー、そんなこと考えてないで朝飯のこと考えろ。何を作るか)
漆紀は朝食に悩むが、とりあえず食材を見ようと思い静かに起き上がって布団から抜け出して一階へ降りる。
「おはよう」
漆紀が小太郎と陽菜にそう一声かけると、二人は「おはよう」と快く返す。
「えーっと……朝食はどうし……あれ、おい小太郎。もう作ったのか?」
漆紀はテーブルに並んだ料理を目に小太郎に問う。
「ええ。作っておきましたぞ。さてと……今日はどうしますか」
「昨日と同じで良いだろ。ぶっちゃけこんな田んぼだらけのところじゃやる事が限られる」
「まあ、コテージキャンプというのは楽しいには楽しいですが、少々やる事が限られますな」
「でも料理に水上アクティビティに、退屈することはないよね!」
陽菜は楽しそうに笑んで親指を立てると、漆紀もそれには同意を示す。
「水上アクティビティは十時からだし、それまで暇だけどな」
漆紀はテーブルにつき、自分の分の朝食を食べ始める。
「いただきます」
「まあ、のんびりするって言うのも大事ではありませぬか」
「そうだな……」
今日一日、このコテージキャンプではのんびりすることを意識してやって行こうと漆紀は決めた。




