第二十三話 繋がりはじめたカケラたち2
静かな風が吹く。
誰も。
すぐには口を開かなかった。
重くなった空気を。
カグツさんが小さく笑って崩す。
「星の欠片。」
「一体。」
「どんな意味があるんだろうね。」
右手で顎を撫でる。
「神具を揃えて。」
「神聖樹へ。」
「……神聖樹、か。」
少しだけ苦笑する。
「あれが、どんな場所にあると思っているんだか。」
「正直、国の兵力を総動員しても。」
「どのくらい辿り着けるか。」
思わず目を丸くする。
「そんなに……。」
「物騒なところでね〜。」
「だから、神託通りに動けば何とかなる。」
「そんな簡単な話でもない。」
一度言葉を切る。
「姫巫女も言っていただろう?」
「神託は。」
「無数に存在する可能性の一つ。」
「絶対じゃない。」
「ここから先は、自分たちで考えなきゃいけない。」
困ったように笑う。
「どうしたものかねぇ。」
私は膝の上で手を握る。
頭の中は。
まだ整理できていなかった。
神王。
神具。
神託。
星の欠片。
神聖樹。
どれも確実なことがわからない。
「……でも。」
小さく呟く。
「一人だけ。」
「もしかしたら。」
「全部知っている人がいる……かも。」
カグツさんがこちらを見る。
「お?誰かな?」
「その人が。」
「私をこの世界へ連れてきたんだと思うんです。」
「普段は、夢の中でしか会えなくて。」
「……風の神国で。」
「私が暴走した時に。」
「一度だけ姿を見せてくれました。」
「でも、どうしたら会えるのか。」
「それは分からなくて……。」
静寂が流れる。
ヴェル様が静かに目を閉じた。
「……あの時。」
小さく呟く。
「あの者は。」
「ヒカリと同じ神力を纏っていた。」
カグツさんも静かに頷く。
「その子は。」
「この一連の出来事を知っている可能性が高い。」
「だとしたら、会いたいね。」
「すごく。」
白い髪の少年。
優しく笑う。
あの人。
きっと。
私たちの知らない何かを知っている。
少しずつ。
散らばっていたカケラは。
一つの線になり始めた。
その線の先にいるのは。
きっと。
あの人だ。




