第二十一話 キミが生まれた日2
「最初はね。」
「ショックのあまり。」
「何か特別なことでも起きたんじゃないかと思った。」
カグツさんは静かに笑う。
「でも。」
「何度調べても。」
「やっぱり。」
「結果は同じだった。」
一度言葉を切る。
「レンは、まだ生まれたばかりだったから。」
「マナを授ければ。」
「周りも異変に気付くかもしれない。」
「だから。」
「授けることができなかった。」
静かな声が続く。
「でも。」
「何故だろうね。」
「レンは。」
「マナを知らないまま。」
「神力を使えてしまった。」
誰も言葉を発しない。
「これ以上。」
「何かが起こることだけは避けたかった。」
「だから…授けることなく。」
「今に至る、という感じだね。」
カグツさんはレンを見る。
「幼い君を。」
「王として縛ることも。」
「危険がある、私のそばに置くことも。」
「できなかった。」
「選べることが。」
「少なすぎた。」
少しだけ目を伏せる。
「きっと。」
「辛い思いをさせてしまったね。」
静寂が訪れる。
誰も何も言わない。
私は。
泣いてはいけない。
だって。
辛いのは。
カグツさんと。
レンなんだから。
私はそっと。
レンの手を握った。
ぎゅっと。
少しだけ力を込める。
レンは何も言わなかった。
私も何も言わない。
ただ。
真っ直ぐ前を見つめた。
下を向いたら。
涙がこぼれてしまいそうだったから。
だから。
前だけを見ていた。




