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星と呼ばれた少女  作者: さかい
火の神国
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第十一話 死者は生き返らない2


「近付いてはいけない。」


 カグツさんの声が静かに響く。


「死者は生き返らないのだよ。」


 女性は立ち止まり。


 青年を見つめたまま、その場に崩れ落ちた。


 泣き声だけが辺りへ響く。


 青年は。


 何も聞こえていないかのように。


 ただ、ゆっくりと歩き続けていた。


「……。」


 私は息を呑む。


 本当に。


 生きているわけじゃない。


 そう思った。


「……あの。」


 恐る恐る声を掛ける。


 返事はない。


 青年の瞳は虚ろで。


 私を見ているようで、見ていなかった。


 その時だった。


「ピィーーーーーーッ!!」


 肩の上から。


 ピンクちゃんが勢いよく飛び立つ。


 羽を大きく広げ。


 今まで聞いたことのない鋭い鳴き声を上げた。


「ピンクちゃん!?」


 青年の足が止まる。


 ゆっくりと顔を上げる。


 その虚ろな瞳が。


 真っ直ぐピンクちゃんを捉えた。


 一瞬だった。


 青年は踵を返し。


 一目散に走り出した。


「え!?」


「何で何で!?」


「追うよ。」


 カグツさんが迷わず駆け出す。


 レンも続く。


「皆さんは決して近付かないでください!」


 ヴァスキさんが住民へ呼び掛けた。


 そして私を見る。


「ヒカリさん。」


「無理は――」


「大丈夫です!」


 言い終わる前に走り出す。


 青年は街を抜け。


 細い路地を曲がり。


 そのまま森へ飛び込んだ。


 木々の間を駆け抜ける。


 あと少し。


 あと少しで追いつく。


 そう思った時だった。


 森が開ける。


 その先には。


 十数人ほどの人影が立っていた。


 誰一人として動かない。


 その中央。


 深くフードを被った青年が一人。


 黒に近い紫色の髪が。


 風に揺れる。


「なかなか定着しないな……。」


 青年は倒れ込んだ死者を見下ろし。


 小さく肩を竦めた。


「まぁ。」


「数を用意して。」


「残ったものを使えばいいだけなんだけどね。」


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