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星と呼ばれた少女  作者: さかい
水の神国
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第二十六話 力の使い方


神力について。


扱い方を知りたいとお願いした。


そして紹介してもらったのが。


姫巫女様の使者ことイケメン…アズルさんだ。


水色の髪は肩につかないくらい。


整った顔立ちに。


穏やかな青い瞳。


何というか、芸能人みたいだった。


風の神国へ来てから思う。


関わりを持つ人たちの顔面偏差値が高い。


ヴェル様もそうだし。


レンもそうだ。


アズルさんも。


鏡を見るたびに悲しくなる。


「では始めましょう」


アズルさんはそう言って。


机の向こうへ腰掛けた。


やっぱり先生っぽい。


ふと気になった。


「そういえば、レンはどうやって神力を覚えたの?」


本人に聞いてみる。


レンは本から顔を上げた。


「何となく?」


ダメだ。


参考にならない。


アズルさんが小さく吹き出した。


「レン様は他人に教えるのには向いていなそうですね」


苦笑混じりの言葉だった。


深く同意する。


◇◇◇


「神力は星の力を引き出すきっかけです」


アズルさんはそう説明した。


「そしてマナ」


「魂に刻まれた名前」


「あるいは星との契約」


難しい。


何となく分かるような。


分からないような。


「……マナがないと神力が使えない?」


不意に。


レンがそう尋ねた。


「えぇ」


アズルさんは頷く。


「魂の名前がなければ」


「星の力は引き出せません」


レンは少しだけ目を伏せた。


「……そう」


それ以上は何も言わなかった。


◇◇◇


「まずは感覚を覚えましょう」


アズルさんはそう言って。


私の手を取った。


「神力は既に貴方の中を巡っています」


「まずはそれを感じてください」


温かな何かが流れ込んでくる。


冷たいような。


温かいような。


不思議な感覚だった。


「それです」


「その流れを意識してください」


私は目を閉じる。


ゆっくりと。


体の中を巡る力を追った。


「神力を感じられれば」


「次はその力を行使します」


机の上には小さな鉢植え。


少し元気のない白い花。


「こちらへ力を注いでください」


私は花を見る。


神力。


体の中を流れる温かな何か。


これを。


花へ。


「元気になりますように……!」


ほわり。


白い光が溢れた。


「!?」


私が驚く。


アズルさんも少し驚いていた。


光は花を包み込み。


萎れていた葉が持ち上がる。


花弁も艶を取り戻していく。


「あ!」


思わず声が出る。


「出せました!」


嬉しくなる。


花も元気になっている。


「成功ですか?」


思わず聞く。


「えぇ」


アズルさんは微笑んだ。


「十分すぎるほどに」


けれど。


どこか考え込んでいるようにも見える。


「あ、失敗でしたか?」


思わず聞く。


「……いえ」


アズルさんは花を見つめる。


「少し興味深いと思いまして」


そして。


元気になった花を指差した。


「癒しの力というより」


「生命そのものを吹き込んだように見える」


難しい。


よく分からないけれど。


普通ではないらしい。


その時だった。


「人体にも効果あるのかな?」


レンがぽつりと呟く。


とても嫌な予感がした。


「レン?」


レンは元気になった花を見る。


そして。


自分の腕を見る。


嫌な予感しかしない。


「レン?」


もう一度呼ぶ。


レンは机の上の小刀を手に取った。


そして。


何の躊躇いもなく。


自分の腕を切った。


すっと赤い線が走る。


「ちょっ!!!!!」


思わず叫ぶ。


「何してんの!!!!」


レンは不思議そうにこちらを見る。


「実験?」


「実験じゃない!!」


私は慌ててレンの腕を掴む。


そして。


傷へ手を添えた。


「治りますように」


ほわり。


白い光が溢れる。


傷がゆっくり閉じていく。


血も止まった。


「消えたね」


レンは腕を見る。


傷跡は綺麗になくなっていた。


「よかった……」


私は思わず胸を撫で下ろした。


本当に治っている。


安心した。


けれど。


すぐに眉をひそめる。


「もう」


レンを見る。


「自分を傷付けるようなこと、しないでね」


レンは首を傾げた。


「別に痛くないよ?」


「そういう問題じゃないの!」


思わず声が大きくなる。


「怪我も」


「できるだけしないように気を付けて」


「どうして?」


本気で分かっていないらしい。


「この力を当てにして」


「無茶しそうで嫌なの」


レンは少し考えた。


そして。


小さく肩を竦める。


「……努力はしてみる」


全然信用できない。


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