表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星と呼ばれた少女  作者: さかい
水の神国
PR
49/55

第十六話 湖上都市

透明度の高い湖。


底が見えそうなほど澄んだ水。


太陽の光を受けて。


水面がきらきらと輝いている。


その中央に。


街があった。


白を基調とした建物。


湖の上へ広がる橋。


水路を行き交う小舟。


人々を乗せた船が静かに進んでいく。


思わず息を呑んだ。


「綺麗……」


見たことのない景色だった。


「みてみて、湖の上に街がある!」


「水の神国だからね」


当たり前みたいにレンが言う。


私はもう一度街を見る。


橋の上を歩く人。


船に乗る人。


水辺に並ぶ店。


どこを見ても新鮮だった。


少しだけ。


旅行に来た気分だった。


異世界に来てから。


こんな気持ちになったのは初めてかもしれない。


「フード被って」


私は首を傾げる。


「なんで?」


レンは街へ視線を向けたまま答える。


「この前みたいなのがいたら面倒だから」


私は思わず苦笑する。


市場で絡まれたことを思い出した。


「あれは特殊な例でしょ?」


「そうかな」


レンはあまり納得していないらしい。


「人は多い方が面倒事も増えるよ」


そう言って。


自分のフードを少し深く被った。


私は言われた通りフードを被る。


少しだけ視界が狭くなる。


けれど。


不思議と安心した。


◇◇◇


街へ近付くにつれて。


船の数が増えていく。


大きな船。


小さな船。


荷物を運ぶ船。


人を乗せた船。


様々な船が水路を行き交っていた。


橋の上にも人がいる。


水辺にも人がいる。


風の神国より。


ずっと賑やかな気がした。


「迷子にならないでね」


私はレンを見る。


「それ、レンが言う?」


「?」


首を傾げる。


自覚はないらしい。


「この前も迷子になってたよね?」


「なってないよ」


「なってたよ」


「散歩してただけ」


「それを迷子って言うの」


レンは納得していない顔をしていた。


思わず笑う。


気付けば。


声を出して笑うことにも慣れていた。


湖上都市。


水の神国。


どんな出会いが待っているのだろう。


少しだけ胸が高鳴った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ