2-2 聖獣との出会い
安全な...この近辺では比較的安全な巣に戻り、これからのことを考える。
まず生き残るためにスキルを集めていくこと。
コレは結構慣れてきた。
大体1日1個は新しいスキルを手に入れている。
そしてわかったことは同じ種族でもスキルの種類が異なることがあるということだ。
成長度合いや育った環境によって多少の差異が生まれているのだろう。
次に寿命。
ウサギの寿命なんて大体5年、長くても10年が良いところだろう。
それまでに何かしら寿命を伸ばせるスキルを手に入れなければ私の人生...兎生はあっけなく終わる。
しかし寿命を伸ばせるスキルってなんだ?
数日前に道で運良く瀕死の猿の獣を殺すことができた。
少なくともウサギより寿命の長い種族ではあるだろうが、手に入ったのは当然スキルのみ。
寿命など手にはいるわけが無かった。
仮に寿命を伸ばせるスキルがあったとして、そんなものどんな恐ろしい奴が持ってるんだ。
ゲームに出てくるような龍とかが持ってるのかな。
まあ間違いなく今の私じゃ倒せないよなぁ。
とにかくだ。
一旦のタイムリミットを5年と見ておこう。
それまでに寿命の問題を突破できなければ、他の転生者に殺される前にこの【動物言語理解】というファンシースキルを持って老衰で死んでしまう。
きっと前例ないだろ、異世界転生で別種族になって5年で老衰で死んだとか。
「...とりあえず、明日はちょっと遠くに行ってみるか。」
活動域を広げればリスクは増えるが可能性も広がる。
とりあえず今日はもう寝よう。
この身体、人間の身体より燃費が悪いんだ。
ただ、基本的に安全の確保さえ出来ればどこでも寝られる、というのは野生の生き物として有難い限りだ。
コウモリ達の羽ばたきを聞きながら体を丸め、目を閉じる。
睡眠という分かりやすい回復手段がある種族で本当に助かった。
これが虫とかだったらどうやって体を休めれば良いんだろうなぁ。
この体では夢を見ることが出来ない。
記憶や感覚は人間でも、あくまで身体的にはウサギなのだろう。
目を閉じて眠っていても、長い耳が周囲の音を拾い続けている。本能的に警戒し続けている。
人間だった頃の意味で眠ると言うことは出来なかった。
目だけを閉じる睡眠で体を休めていると、突如として巨大な地鳴りに叩き起こされる。
野生の反応速度で飛び起きることができた。
いや、この大きさはさすがに人間であっても起きるぞ!?
「な、何!??」
まさか洞窟の天井が崩落したかと周囲を見渡すが、どうにか生き埋めに放っていない。
入り口から漏れる明かりを見るに夜は明けている。
私は念のためいつでも逃げられるように心構えだけして洞窟の外へ飛び出した。




