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攻略知識が役に立たない世界でした〜悪役貴族に転生した俺は、変態体質と死亡グラフを無くしたい〜  作者: 洸夜 真琥
第三章 動き出す影

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71. 欺き

翌日、朝食を済ませた後に俺はまとめて話し合った方が良いだろうと思い、アグニの元を訪ねた。



「シモンの方はもう聞いたかも知れないが、俺の方の情報と合わせて話し合いをするぞ」

「ああ、分かった」

「まず俺の方からだな、やはり攫われた子供達は隣国にいる。場所は教えてもらえなかったが、招待してもらえる事になった」

「良く招待してくれたもんだな」

「まあ、そこは向こうの幹部らしい奴が俺を気に入ってくれたって事と、この間助けたあの少女は向こうには使()()()()()()()()()()って言ってみたんだ」

「使えなかった……ね、まぁ間違っちゃいねえがな。物は言いようだな」

「まあな、それで直接選びたいって言ってみたら、ご招待って訳だ」

「はぁ、ホント良くやるな……貴族じゃ無くて、詐欺師にでもなれるんじゃないか?」


アグニが呆れた様な顔をする。

まぁ俺も、良く口が回ったもんだな、と自分でも驚いている。


「隣国の指定された場所に着けば、後は向こうが迎えを寄越すらしい。後はシモンの方からだが……」

「頭には伝えましたが、俺が昨日手に入れた情報は……」


シモンと俺の情報を元に作戦会議が始まった。



―――


俺は今、隣国へ向かう馬車へ乗っている。

一応変装後の姿になるので、屋敷には俺がいると言う事になっている。

まぁ、その辺はクラウスが上手くやるだろう。

最初クラウスは、影武者を使ってでも自分も着いてこようとしたが、流石に二人揃って影武者はないだろうと断念した。


お陰で一緒に行くシモンは、かなりの圧をかけられていたが、流石にシモン一人では無理だと言う事で、今回はイーサンとエヴァンにも軽く変装してもらいついて来てもらった。


御者台の窓からイーサンが窓を叩いてくる。


「そろそろ指定の場所に着くみたいっすね」

「ああ」


上手く行けば良いんだが……


指定の場所に着くと、一人の男が近づいて来た。

イーサンが男と話をして頷いた後、男がイーサンの座る御者台にそのまま乗り込んできて隣に座った。


イーサンがもう一度窓を叩いた後、馬車が動き出した。

男が指示を出した方へ向かう様だ。


暫く馬車を走らせると、馬車は段々と森の方へ入って行きやがて一つの建物の前で止まった。

俺は馬車から降りて周りを伺う。


森の外からは分からなかったが、いくつかの建物が立っている。どれも高さがないから、近くまで来ないとここに建物がある事に気づかなかったのか……


「このまま、商品をお見せする様にと伺っております」


俺は、少し傲慢で冷酷な元のアルディスを思い出しながら、男に答えた。


「商品のある建物は何処になる?」

「向こうにある、あの建物がそうです」


男が手を向ける方を確認した後、俺は男に向き直ると以下にも我儘で、今思いついたといったように、


「……商品を見る前に旅の疲れを取りたい。まさか客に休憩さえもさせないつもりか?」

「……い、いえ」

「ノアールは是非にと招待してくれたんだがな」

「……では、お部屋を用意しますので、そちらでお寛ぎください」


俺が満足そうに頷くと、男が案内を始める。

俺はシモンに目配せをすると、シモンは頷きそっと離れていった。


俺達は部屋へ通されると男が、シモンがいない事に気付いたのだろう尋ねてくる。


「護衛の方が一人いない様ですが」

「何かあっても困るからな馬車に残してある、ただの護衛だ休憩の必要はない。それより喉が渇いたな」

「……かしこまりました」


男が部屋を出ていって足音が遠ざかるのを確認した後、俺は肩の力を少し抜いた。


「ふう……」

「凄いですね……なんか様になってると言うか、板についていると言うか」

「悪役……カッコいい」


イーサンとエヴァンの感想に苦笑いを浮かべる。

まぁ、本来ならアルディスの性格はこんな感じだしな。


コンコンッ


「お飲み物をお持ちしました」

「入れ」

「失礼します」


メイドが紅茶を持って来た様だ。

俺の前にカップを置き、メイドが紅茶を注いでいると

ドンッと音がして建物が少し揺れる。


「「!」」

「何だ!」

「きゃあっ!」


さっきの男が慌てて入ってくる。


「何事だ!」

「も、申し訳ありません。ただいま確認いたします」


男が廊下へ出て、何やら確認して戻って来た。


「倉庫に何者かが侵入し、爆弾を使った様です。幸い商品とは反対側ですので……騒ぎが静まるまで暫くお待ちください」

「フンッ……」


俺はドカリと椅子に座り、早くしろよと言わんばかりの態度をとると、男は礼をして廊下へ出ると、指示を飛ばし始めた。


「早く火を消せ!侵入者はどうした!」


部屋に俺達以外がいなくなったところで、俺はニヤリと笑みを浮かべた。

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