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攻略知識が役に立たない世界でした〜悪役貴族に転生した俺は、変態体質と死亡グラフを無くしたい〜  作者: 洸夜 真琥
第三章 動き出す影

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59. 潜入

クラウスから、変装の為の魔道具が出来たと報告があり、ノアのところで最終調整をする事になった。

結局ノアに作らせたんだな……


「ノア、変装魔道具出来たらしいな」

「ああ、これだ」


ノアから見せられたのは、金色の指輪が2つ。指輪の中央に魔石らしきものが嵌っている。


「指輪か」

「指にはめて、魔力を流して見ろ」


俺はまず一つを手に取り、観察する。指輪の内側に細かく紋様が刻まれている。以前幻影の魔道具に刻まれていたものに似ているな……

俺は二つの指輪を嵌めてから、魔力を流してみる。


自分の周りに薄らと魔力の膜が出来て、その後身体の中に収まったように感じた。


「異常はないか」

「特に違和感はないが……ん?声が少し違うな、後は何が変わってるんだ?自分じゃ分からないんだが…」

「アルディス様、こちらを……」


クラウスが鏡を差し出したので、受け取って鏡を覗くと髪色が赤に瞳の色が金に変わった俺がいた。


「凄いな、本当に変わっている」

「以前作った幻影の魔道具を応用した。今回は長時間の変装に耐える様に、髪と目、声のみに対象を絞ることで長い時間、使える様にしてある」

「それは有り難いな」

「急いで作ったから、まずはこんなものだろう」

「これだけ変えれば、大丈夫だろう」


「残念ながら顔の形を変えるところまでは行きませんでした……」


クラウスがとても残念そうに告げてくる……

頑張ったのはノアなんだがな。


「まぁ、基本は仮面があるから大丈夫だろう」

「万が一という事もありますので」

「気をつける。ノア、急いでもらってすまなかったな」

「いや、面白かったからいい」

「この後は少し休んでくれ」

「……ああ」


クラウスが急がせたんだろう、ノアの目の下に隈が出来ている。休むように言ったが、休まないんだろな……



ノアの研究所を出て屋敷に帰り、クラウスと打ち合わせをする。


「クラウス、相手から返事は来たか?」

「はい、届いております」


そう言って、クラウスが手紙を差し出す。


「……少し急だが、明後日にある会に招待してくれるそうだ」

「確かに急ではありますが、それだけ早く情報を得られると考えれば良い事かと」

「では作戦開始といこうか」




俺はクラウスが用意してくれた家紋のない馬車に乗り、招待された場所へ向かった。

一時的に、何処かの貴族の持ち物であろう屋敷を借りたか、買い取ったのだろう。わりと大きな屋敷の前に着いた。


俺は変装した上で仮面を付けて馬車を降りると、出迎えの男に招待状を渡す。

すんなりと中へ通されると、さらに別の男が案内をするので後ろから着いていく。


案内人の男が扉の前で立ち止まり、扉をノックする。


「トライール様をご案内いたしました」


男が中に声をかけると、扉が開き中へ招かれる。中へ一歩踏み込むと、そこには仮面を付けた数人の男女がいた。

そのうちの一人、以前あの夜会で話しかけて来た白い仮面に三日月のマークが入った男が声をかけて来た。


「ようこそおいで下さいました。トライール様」

「ああ、ノアールだったな」

「ええ、覚えていてくださって嬉しいですね、貴方なら是非来てくださると思っていましたよ。今夜は以前と雰囲気が違うようですが……」

「ああ、以前は少しばかり見た目を変えていたんだ」


前回は仮面を付けただけだったからな、こっちの方を本当の姿見だと思ってもらった方が良いだろう。


「そういう事ですか。それはそれは、もても用心深い。だが、警戒するのはとても良い事です」


今日は、悪役貴族を演じるつもりで来た、本来のゲームで出てくるアルディスをイメージして振る舞うようにしている。


「で、今日はどんな集まりなんだ?」

「今日集まった方は、それぞれ直接私がお声をかけた方です。より深く親睦を深め、互いに信頼に値すると判断出来れば我々の一員として、特別な場所にご招待いたします」

「なら、信頼して貰えるように努力しよう」

「そちらのお姿、少しはこちらを信頼していると思っても?」


俺は挑発的にニヤリと笑って返すと、男の目が細くなる。


「後で余興も用意しておりますので、ゆっくりとお楽しみください」


そう言うと、ノアールは他の参加者の方へ歩いて行った。

とりあえず、興味は持ってもらえたようだな。

さて、夜は長い。

はたして今回で仲間に迎えられるのか……後はここでどんな話が聞けるかだな。


俺は他の参加者に声をかけに足を踏み出した。

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