54. 再会
ギルとリベルに会いに行く前に、王都に住んでいるセシリアに手紙を書いた。
こっちへ来た事を知らせとかないとな。
それから支度をして、街へ出た。
「最初はギルのところからだな」
「アルディス様、今日お会いする方は誰なんですか?」
「ああ、イーサンとエヴァンには知らなかったな、今日会う相手は、ギルとリベル。ギルは俺が懇意にしている情報屋で、リベルは王立図書館で働いている友人…だな」
「情報屋と図書館員ですか」
「アルディス様の友達…」
「二人とも悪いやつでは無いから、イーサンもエヴァンも仲良くしてくれ」
「わかりました」
「…」
イーサンとエヴァンが頷いたのをみて、そのまま歩みを進め、久しぶりの古本屋の入り口に足を踏み入れた。
「ギル、いるか?」
「ん、だれ〜?」
「俺だよ」
「ん?アルディス?ああ、帰って来てたんだっけ、ここに顔を出すの、早かったね」
「なんだ、帰って来たの知ってたのか」
相変わらず、眠そうな顔をあげたギルは帰って来た事に驚いてはいなかったが、すぐに尋ねて来た事に驚いてたようだった。
「当たり前だよ、これでも情報屋なんだから。そっちは新しい護衛?前はいなかったよね」
「ああ、領地で専属護衛になったイーサンとエヴァンだ、何かと顔を合わせるかも知れないから、紹介しとく」
「そうなんだ、じゃあ俺も自己紹介しとくよ。俺はギル、表向きは古本屋で、さっき言ったように情報屋もしてる。欲しい情報があれば、初回はアルディスの護衛って事で安くしておくよ」
ギルが話し終わると、二人ともとりあえず頷いていた。
「今日は顔見せだけなの?」
「とりあえず、顔見せもあるんだが、俺が離れている間の王都に変わりはなかったか知りたい」
「変わった事ね…まぁ、あるよ?」
そう言ったギルは指を一本立てた。
俺はギルに金貨を1枚出す。
「まいど!王都の裏で少女が一人連れ去られた」
「言い方は悪いですが、珍しくない事では?」
イーサンが口を挟む
「それだけならね、まだ続きがあるんだよ。それをこの辺でちょっと有名な盗賊が追っている」
「盗賊…」
「盗賊と少女に繋がりは?」
「盗賊は王都の裏では義賊って言われていてね、孤児を保護してるんだよ」
「盗賊が…孤児を」
「で、保護してる子供の一人が攫われたから、どうやら必死に探してるみたいだね」
「攫ったやつの目星はついてるのか?」
「少し前にうろついてる怪しい奴らがいたから、多分そいつらじゃ無いかって話だけど、正体は分かってないよ」
「そうか…ありがとう。また何かわかったら教えてくれ」
「うん良いよ、ところで今日は本買わなくて良いの?アルディスの為に仕入れといたんだよ、蔑んだ…」
「わー!!いらない!出さなくていい!じゃあまたな!」
「残念だな、また来てね〜!」
危なかった…
いきなり何を出すかと思ったら、二人には気づかれてないよな?
俺はそっとイーサンとエヴァンの様子を伺った。
「どうしました?さっき本がどうのって、買わなくて良かったんですか?」
「?」
「いや、良いんだ」
フゥ…気づかれて無かったようだ…
「さっ、次は図書館へ行くぞ」
俺は話を変えたくて、図書館へ向かって歩き出した。
王立図書館に入ると相変わらずここだけ、静かな空気が流れているようだ。
俺はリベルがいる場所を聞くと、そちらへ向かった。
何故か、リベルの方へ足を進めるたびに、心臓がドクドクとしてくる。緊張とも違う、不思議な感覚に、俺は自分で思っていたより、リベルに会うのが楽しみだったんだろうと思った。
リベルの姿が見えてくる。
最初に会った時のように、踏み台に登り本の整理をしていた。
「リベル…」
まだ振り向かない。
俺はもう少し近づいて声をかける。
「リベル」
「え?あっ!」
「!」
踏み台から落ちるリベルを、俺は急いで受け止めた。
「大丈夫か?」
「アルディス様!…帰って来たんですね」
俺の服を掴むリベルの手に力が入るのがわかった。
「ああ、約束したからな」
「おかえりなさい」
微笑むリベルを立ち上がらせると、改めてその姿を見る。少し会えなかっただけなのに、懐かしく感じてしまう。
「昨日こちらに戻って来た、今日は顔を見に来たんだ」
「会いに来てくれて嬉しいです」
「また話をしたいから、少し時間を貰えるか?」
「はい」
「では、いつものテラスで待っている」
俺は、リベルと別れていつものカフェテラスへ向かった。
テラス席に座り暫く待つと、リベルがやって来た。
俺は、コーヒーと紅茶を注文する。
「リベル、変わりはなかったか?」
「はい、アルディス様に会えなくて、少し寂しかったくらいです」
「そう言ってもらうと、会いに来た甲斐があったな」
「アルディス様から頂いた本も遺跡の本も読み終わってますよ」
「では、また今度休みの日にでも聞いて良いだろうか」
「勿論です」
リベルと話していて、前と少し違う事に気づいた。
「リベル、なんだか顔色が以前より悪いようだが、具合が悪いのか?」
「いえ…多分、最近よく寝れなくて…それで疲れが溜まっているのかも知れません」
「そうか…ならよく寝れるものを何か用意してリベルへ送ろう」
「いえ、そんな!」
「遠慮しないでくれ、リベルには笑顔でいて欲しい」
「ありがとうございます」
その後、リベルにイーサンとエヴァンを紹介したりして、次に会う約束をした後、図書館を出た。
帰り道―
「…」
「なあ、イーサン」
「はい」
「なんかエヴァン機嫌悪く無いか?」
「あー、多分リベルさんに嫉妬したんだと思います」
「嫉妬?」
「はい」
「アルディス様、なんかリベルさんの事、とても大事にしてたので…」
「そうか?」
「雰囲気が違うって言うんですかね…」
「…」
俺はエヴァンを見た、ちょっと拗ねている感じがしたので、頭を撫でておいた。
よろしければ是非、ブックマーク、評価をお願いいたします!
他にも、投稿しておりますので、ちらも読んで頂ければ幸いです♪
感想も頂ければ幸いです。
これからもどうぞ宜しくお願いします。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです!




