第四十八話 収穫祭とセシリア
セシリアが到着してから数日後。
いよいよ今日から収穫祭だ、俺はセシリアを誘い街に出た。
街の中は初日だというのに、盛り上がっていて、あちこちから賑やかな声が聞こえて来る。
俺も初参加な訳だが、そんな事は顔に出さずにキョロキョロしているセシリアを堂々と案内する。
事前に何があるかは調査済みだ。
「セシリア何処か見たい場所はあるか?特に無いなら、俺のお勧めの出店を順番に回るか?」
「はい、アルディスにお任せします!」
「じゃあ向こうから見ていこう」
俺はセシリアの手を引いて、セシリアが好きそうな出店を回り始めた。
「ほら、セシリア、フルーツ飴とかどうだ?」
「わあ!キラキラして宝石のようですね!」
「こっちは串焼きだが、セシリアにはちょっと食べにくいな…」
「そんな事ないです!私だって食べれますよ」
そう言って、貴族のお嬢様なのに串焼きに齧り付いて見せるセシリアは、気取っていなくて、こんなところが、みんなに好かれるのだろうと思わせる。
「そろそろ、喉が渇いたな、あっちに飲み物が売っているから買って飲もうか」
「はい」
俺達は飲み物を受け取り、近くの休憩所を兼ねたテーブルに落ち着く。
「セシリア、楽しめているか?」
「はい、食べ物もとても美味しいし、お祭りの雰囲気がとても楽しいです!」
「誘って良かったよ…」
セシリアと話していると、わいわいと声が近づいて来た、この声は…
「あ!アルディス様だ!」
「アルディス様〜!」
「アルディス様こんにちは!」
「アルディス様デート?」
一気に子供達に囲まれる。今日はいつにも増して元気だな。
「あ!お姫様だ!」
「お姫様可愛い!」
「お姉さんはアルディス様の彼女?」
「ほらほら落ち着け、セシリアがビックリしてるじゃないか」
「アルディス様、この子達は?」
「この領地の子供達だ、仲良くしてくれているんだ。」
俺は子供達にセシリアを紹介した。
「この人は俺の婚約者で、セシリアだ。とっても優しい人で、大切な人だからみんなも仲良くしてほしい」
「「「「はーい!」」」」
「ねぇねぇ、セシリア様!アルディス様のどんなところが好き?」
おませなティナがセシリアに質問している。俺もセシリアがなんと答えるか気になったので、黙って聞いていた。
「え、え〜っと…その、とっても優しくて、大事にしてくれるとこ…とか…が好き…」
セシリアはみるみる真っ赤になっていった。
「じゃあラブラブなのね!」
「…///」
「ほら、もう良いだろ」
「わかったよー!あっ!明後日の出し物必ずだからね!」
「絶対よー!」
「わかってるよ」
子供達は手を振って走り去っていった。
俺はセシリアに向き直ると、セシリアはまだ照れているようだった。
セシリアの口から、ああ言って貰えるなんて嬉しかったな。
子供達よナイスだ、ありがとう…
「セシリア、向こうにも行ってみないか?」
「…はい」
今度は、小物屋などが出ているあたりを回り始める。
俺達からしたら安物だが、それでもセシリアには可愛いと思える物があるようで、途中から興味深そうに店を除いていた。
出店を回っていると、アクセサリーなどの小物を売っている店の店主が話しかけてきた。
「アルディス様、デートですか?」
「ああ、そうだ。俺の婚約者なんだ」
「なんと!婚約者様ですか、仲が良くて良いですね!なら、こんなのは如何ですか?」
店主が見せて来たのは、二つ揃いの赤い石が嵌め込まれた細工が綺麗なキーホルダーだった。
「この真ん中の石は元々一つだったんですよ、それをを職人が、二つに分けて、いつも互いを思い出すようにと形にした物です」
セシリアを見ると、一緒に持ちたいのだろう。そんな顔をして見ていた。
「では、それを」
「お買い上げありがとうございます!ラッピングはサービスしときますね!」
俺は店主から、綺麗にラッピングされたそれを受け取ると、セシリアに片方を差し出した。
「高価な物ではないけれど、セシリアも気になっていたようだし、今日の記念に受け取ってくれるか?」
「とても嬉しいです…石の色が、アルディス様の瞳の色と似ていて…あ、でも、アルディス様の瞳の方がもっと綺麗ですけど…な、何を言って、あ、だから、その私、ずっと大事にします!」
着いて来ている、護衛と侍女のニヤけた顔が目に入り、言われているこっちも恥ずかしくなってしまった…///
よろしければ是非、ブックマーク、評価をお願いいたします!
他にも、短編なども書いておりますので、ちらも読んで頂ければ幸いです♪
感想も頂ければ幸いです。
これからもどうぞ宜しくお願いします。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです!




