第四十六話 二つの調査と祭りの誘い
ノアの魔道具が完成してから、数日後、俺はクラウスから山岳地帯にある村の調査報告をクラウスから聞いていた。
「アミュレットを持つ村の調査ですが、向かわせた者から報告が届きました」
「どうだった?」
「確かにあのアミュレットと同じ物をつけている者が複数名確認が取れました。また、アミュレットをつけている者には共通点があるようです」
「共通点?」
「はい、魔力が総じて高いらしく、村では魔力が高い子供が生まれると、子供が六歳になった時に、村長から送られるそうです」
「なるほどな、じゃあどうしてアミュレットが、川にあったのか、村と川の場所は全く違う…紛失した者は?」
「いえ、紛失した者は居なかったようですが、七歳になる子供が一人、数ヶ月前に行方不明になっているようです」
「子供か…なんか前にもどっかで聞いた気もするな…」
「以前、王都で調べた事の中にも、行方不明者の事があがっていたかと、ただ裕福ではない家の場合は行方不明を装い、口減しをする事もあるので、そこまで重要視はしていませんでした」
「貧富の差か…」
「ただ今回の村も子供の家族も裕福ではありませんが、子供を売るほど貧困では無いようです」
「村の者や家族はなんと言ってるんだ?」
「あの辺りでは山の神が気に入った子供を自身の元へ連れて行くなどの話があるようで、子供もそうでは無いかと言われています」
「神か…」
本当にいるんだろうか?
俺を転生させたのも神…?
「誘拐なども視野に入れて、子供の行方を探らせてくれ」
「かしこまりました」
「後は…ああそうだ、確か隣国の調査で困ってたよな?」
「はい、潜入に少し問題があるようです」
「この間、ノアに作ってもらったこの魔道具使えないか?短時間だが、姿を見えにくくすることが出来るんだ」
「ほう…姿を…。それは良いかもしれませんね、目をつけている怪しい商会があるので、潜入の際に使わせましょう」
「使ってみて、使用した感想や改善点をノアに知らせるようにしてくれ」
魔道具を渡すと、クラウスは一礼して部屋を出て行った。
さてと、後は収穫祭の準備だな、俺も初めて参加するし、何か皆んなが楽しめるやつを考えたいな…。
とりあえず、街に行けば何か思いつくかもしれないしな。
俺は、イーサンとエヴァンを連れて街に出た。
街の中は、今はお祭りの準備に追われていて、すでに賑やかになってきている。
「結構賑やかだな」
「今回はアルディス様もいますし、予算の余裕もあるので張り切っているみたいですね」
「お祭り…美味しいです」
「エヴァンは祭りの食べ物が好きなのか」
「好き…です」
「エヴァンはこう見えて、めっちゃ食べるんですよ」
「へぇ、意外だな」
そんな話を聞きながら歩いていると、子供達がこっちへ向かって走って来た。
「アルディス様〜!」
「こんにちは〜!」
「アルディス様!ごきげんよう!」
「え〜何だよティナ、ごきげんようって!」
「貴族のお姫様の挨拶よ!」
「お前お姫様と全然違うじゃん!」
「何よ!良いじゃ無い!」
「まあまあ、落ち着け!みんな、俺に何か用があるんじゃないのか?」
「あ!そうだった!」
「アルディス様、今年はお祭り参加するんでしょ?」
「もちろんだ」
「それでね!私達と一緒に出し物に出て欲しいの!」
「出し物?何でだ?」
「アルディス様この間、美味しい料理配ってくれたでしょ?」
「それに!子猫だって助けてくれたし、うちのお母さんとかはアルディス様優しくなったって言ってたんだけど、まだ信じてくれない人もいるの」
「僕達それが悔しくて…」
「それなら一緒に街のお祭りで何かやったら良いんじゃ無いかって俺達みんなで考えたんだ!」
俺は子供達から告げられた提案に、言葉を失った。
…みんな
「ありがとう。俺が早く街の人と仲良く出来るように考えてくれたんだな…」
「そうよ!」
「それに!出し物で一番になったらお祭りの屋台の無料券貰えるんだぜ!」
「もう!ピートってば!」
「ははっ!わかったよ、一緒に参加しよう」
「「「「やったー!」」」」
「約束よ!」
「出し物はもう決まってるのか?」
「えっとね〜、まだ決まってない」
「アルディス様、何かアイデアある?」
「そうだな…じゃあこんなのはどうだ?」
俺と子供達は作戦会議を始めた。
途中から見てるだけだったイーサンとエヴァンも巻き込む事になった。
子供達からこんな提案をされるなんて、これだけでも領地に来て良かったと思う。
屋敷に帰ると、クラウスがセシリアからの先触がきていると手紙を渡された。中を確認すると、数日後にこちらに来るそうだ。
セシリアに会うのも楽しみだな…
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