第四十一話 王都からの訪問者
湖から屋敷に到着する前に、皆んなに精霊の事をあまり口外しないように言っておく事にした。
「一応皆んなに言っておくが、今日の精霊の件、フォルスが加護を貰った事は話しても良いが、その他の、場所や詳しい内容は口外しないように。話せば湖を荒らされたりする危険があるからな」
「「「はい!」」」
「かしこまりました。確かにその方が良いでしょうな、人が無闇に立ち入れば精霊を怒らせる事になるかもしれません」
「フォルスに加護がついた事はどうせそのうちバレるだろう、フォルスも聞かれたら適当にはぐらかしてくれ」
「…わかりました」
まあ、フォルスとしても、積極的に話したい内容では無いだろうからな…
普通は精霊に加護を貰ったら自慢出来るんだが、貰った相手がな…
加護の内容は良いんだよ?
屋敷に着いた俺達は一旦解散をし、フォルスには明日、精霊に聞い話で川の岩の件と、加護について話す時間を改めて、取る事を伝えた。
昨日の件を、クラウスとフォルスそれにセランも呼んで話し合う事にした。セランは湖に同行していないので、ある程昨日あった事を最初に話した。
フォルスが、精霊に加護を貰った事を話した時は、驚いてもいたし、何やら荘厳なシーンを想像していたようだが…。
俺達は誰も訂正しなかった…。
機会があれば、セランも会う事になるだろう。
「まあ、そういう訳でニクセに聞いた話では、川側の岩が何らかの原因で動いてしまったらしい。それで調査をして、岩も元に戻すように依頼があった」
「では、まずはその岩の調査ですね、場所はどの辺りですか?」
「湖がこの辺りだから、その少し下のこの辺りだな」
俺は地図を見ながら、岩の場所を指差す。
「あの大きさのオオサンショウウオが通れたのですから、かなりの大きさがありそうですね」
「岩の状態次第では、塞ぐ方法を考えないといけないかも知れないな」
「何にせよ、行ってみりゃわかりますよ!」
「貴方って何でそう単純なんですか…」
セランとフォルスがまた言い合いを始めそうになったので、俺は話を再開する。
「調査には今日の午後から行く事にしようと思っているが、問題は無いか?」
「はい問題ありません。午後からはその様に予定を組んでおきます」
「自分も大丈夫です」
「よろしく頼む。フォルスにはニクセ関係だから来てもらうが、セランはどうする?」
「私もご一緒致します」
「何だ、お前も行くのかよ」
「いけませんか?」
「いや…別に」
フォルスの歯切れが悪いのは、ニクセがもしも現れた時のことを考えてるんだろう…
俺はいずれセランにはバレると思ってる。
「では、昼食後に門の前に集合するように」
「「了解しました」」
二人が部屋を出た後に、クラウスに思った事を言ってみた。
「どうせセランには分かるんだから、早くバラせば良いのにな」
「…なるべく引き伸ばしたいのでしょう」
俺とクラウスはちょっと遠い目をした。
昼食を済ませ準備を整えてから、俺はクラウスと一緒に門に向かった…門のところまで来ると、何やら人影が門番と揉めている。
「だから、少しお待ちください!」
「やはく…」
「どうしたんだ?」
「アルディス様!こちらの方が!」
「ん?」
聞き覚えのある声に、俺は門番の影になっていた人物をよく見た。
「え?…ノア?!」
「アルディス」
「何でここに?!」
「会いにきた」
「え?なんか王都であったのか!?」
俺は王都で何かあったんじゃ無いかと、チラリとクラウスを見るが、クラウスは首を振って居る。
「手紙を見た」
「手紙?俺が出したやつか?」
「見たから来た」
「え、アレには王都に帰ってからって書いて……まさか」
「待てない」
「確かに手紙には、珍しい魔石と、魔道具の事を書いたけど…え?…あの手紙を出してそんなに経ってないぞ?先触は?」
「届いていません」
「出した」
こそへ、丁度配達人が手紙を届けにやって来た。
クラウスが受け取り、中を確認した後、その内の一枚を渡してくる。
「先触はこちらかと」
「王都の研究員からだな、ノアがそっちに行きます。日付は3日前だな…ん?3日前?」
「ノア…何日でこっち来た」
「3日」
俺もクラウスもギョッとした、普通に王都からここまでは5日ほどかかる。
「どんだけ無茶したんだよ…」
フイっとノアはそっぽを向く。
「まあ、来てしまったものはしょうがないから、部屋の準備をさせる」
「クラウス、済まないが頼めるか?」
「かしこまりました」
「ノア、俺達今からあの魔石関連で、川の上流を調査しに、山へ向かうんだがノアは屋敷で待つだろう?帰ったら魔石を見せる」
「…行く」
「え?」
「俺も行くと言っている」
てっきり屋敷に残るかと思ったが、ノアは行く気みたいだな…多分魔石のヌシと関係が有りそうだからだろう。
「わかった、一緒に行こうか」
話がついたところで、フォルス達がやってきた。
ノアのことを知らない、領地組にノアを紹介して、いざ出発となったところで、ノアが馬に乗れない事が判明し、イーサンに乗せてもらう事になった。
「ちょっとごたついたが、改めて行くぞ」
「「「はい!」」」
出発の前―
「ノア様…先触より先に着いては、先触の意味はございません」
「…」
クラウスからの圧
「…気をつける」
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