第二十八話 新たな手掛かりと消えた少女
リベルにから聞いた魔導書の内容によれば、昔は混合魔法はあった… 使われなくなった理由は何だ?
リベルの話では、鍵になるのは魔石らしい。
魔石が採れなくなった?
それとも、その魔獣自体が姿を消したのか?じゃあ、なぜ俺は使えるんだ?
今はまだわからない事が多いな…
渡した本がまさか上巻だったとは、早めに下巻を手に入れたいところだな。
そこまで考えるとノックの音がした。
「失礼します。アルディス様、調査に少し進展がありましたので報告にまいりました」
「クラウスか、丁度俺も頼みたい事があったんだ。まず、クラウスの報告から聞こうか」
「はい。先日の調査対象が接触していた共通人物ですが、どうやら隣国の者の様です」
「隣国か…厄介だな」
「ええ、探らせたところ隣国にある中規模の商会でした。今のところ表向きは何も怪しい事はありません」
「此方へ来るのに利用をされたのか、協力しているのかで違ってくるな」
「何しろ他国ですので、動きが制限されてしまいます」
「わかった、引き続きできる範囲で調査をしてくれ」
「はい。それと薬の件ですが、ノア様にもご協力をお願いしてみてはどうかと思いまして」
「ノアにか?」
「ノア様でしたら、魔法、魔術に詳しいので何か発見があるのではと」
「そうだな、ノアなら新しい視点で何か発見してくれるかもしれない。俺から直接頼んでみよう」
「よろしくお願いします」
「俺からもクラウスに頼みたい事がある、先日手に入れた魔術書なんだが、どうやら混合魔法について書いてあったらしい」
「混合魔法ですか…」
「だが、この間の本は上巻だったようでな、肝心の部分は下巻に記載されているらしいんだ…。そこでクラウスに下巻を探して欲しい」
「なるほど、確かに気になりますね。アルディス様が混合魔法をお使いになるのにも役立つ様ですし、探すよう手配いたします」
「よろしく頼む」
「こちら報告書とは別件になります。セシリア様からお手紙が届いております」
「セシリアからか、先日出かけてからは暫く会ってなかったな」
えっと…、先日の公園へ出かけた事が楽しかった事、今年はのオフシーズンは領地に行くのかどうか聞きたいと。
領地か…、確か今は社交シーズンで、王都に出てきている貴族が多いが、オフシーズンになると殆どの貴族は領地へ戻る。
俺にも領地がある…まだ行った事はないが…。
色々な事がまだ中途半端になっているからな…しかし、一度領地の方も確認した方がいいのはわかってるんだが…クラウスに相談してみるか。
「セシリアから、今年は領地へ戻るのか聞いてきてるんだが、現状どう思う?行きたい気持ちもあるんだが…」
「そうですね、前のアルディス様も暫く領地へお戻りになっておりません。いくら信頼できる者に任せているとしても、ここで実際に領地の確認をされた方が、領民も安心致しますし、良いかと思います。幸い、アルディス様の領地は王都から数日の距離、早めにこちらへ戻られては如何でしょう?」
「では、そうするか。セシリアにも前半のみ領地へ行くと伝えよう」
「こちらも準備を進めておきます」
俺の領地か…知識はあるが実際どんな感じだろか。
王都裏側にある子供達の隠れ家で二人の男が食糧を配っていた。
「順番だぞー!喧嘩すんなよ」
「でかい奴は小さい奴に持ってってやれよ!」
「大丈夫!分かってるってー!」
ガヤガヤしながらもきちんと子供達はちゃんと皆んなで食料をわけている。
「ん?」
「どうした?」
「1人分余ってるぞ、誰のだ?」
「おーい!誰かもらってない奴いるぞ」
子供達の中でも年長の男の子が二人に答えた。
「あ!確か少し前?に、ミリーが表に用事があるって出かけて行ったよ!…でもすぐ帰るって」
「ミリーのか、少し前ならもうすぐ帰ってくるか…」
「じゃあ、帰ってきたらちゃんとミリーに渡してやるんだぞ」
「わかった!」
「ミリーならしっかりしてるからな、まぁ大丈夫だろ」
「後でもう一回様子見にくればいいんじゃねえ?」
「そうだな」
そう言って男達は引き上げて行った。
数時間後…子供達の元を訪れた男達は子供達の様子がおかしい事に気づいた。
「どうした?」
「誰か病気か?!」
「…ミリーが、…ミリーが帰ってこないよ!」
「!!」
「すぐ帰ってくるって言ってなかったか?!」
「ミリーはどこ行くって行ってたんだ?」
「う、うん、すぐ帰るって…。最近、表通りの花屋さんを手伝ってて、今日は残った花を少し分けてもらえる約束してたみたいで貰いに行ったんだ」
男達は顔を見合わせて、頷きあうと、子供達を安心させる様に言葉をかけた。
「そうか、ミリーの事だ、きっとその花屋の手伝いでもしてんだろ、心配すんな」
「俺達が迎えに行ってやるから」
「うん、お願いだよ。ちゃんとミリーを連れて帰ってね」
「ミリーはしっかりしている、用事が出来たのなら一度帰って他のやつに言うだろ…それが、ねえのが気になるな…ヤバいかも知んねえな」
「俺はお頭に知らせてくる、お前は花屋を確認して来い」
子供達の家を出た男達は、花屋とアジトへ分かれて走り出した。
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