第二十七話 図書館員と休日
今日はリベルと図書館以外で会う日だ。
事前に連絡は入れてあるので、時間に間に合う様に、待ち合わせ場所へ行くことにした。
クラウスはさっき研究所へ行くと行っていたな…
ノア…怒られてないと良いが…
待ち合わせの中央広場に着いたが、まだリベルの姿はまだ見えない。俺は近くのベンチに座って待つことにした。
「リベルに図書館以外で会うのは変な気分だな…」
ぼーと、行き交う人を眺めていると、向こうからリベルが小走りでやってきた。
「アルディス様! お待たせしてすみません!」
「大丈夫だ、俺がリベルに会うのが楽しみで、少しだけ早く来たんだ」
「!…楽しみに…嬉しい…!」
俺の言葉に、リベルの顔がほんのり赤くなる。
言った俺も少し照れてしまったが、実際楽しみにしていた。リベルとプライベートで会う事なんてゲームでは体験出来なかったから。
「今日は、リベルが行きたいところがあれば、そちらを回ってから、ゆっくりお茶をしても良いかと思うんだがどうだ?」
「私の行きたいところ…良いんですか?」
「ああ、遠慮なく言ってくれ、何処へ行きたい?」
「…では、本屋へ行きたいです…」
「…わかった、では行こうか」
リベルから、本屋と言う単語が出た瞬間、前回の事が頭をよぎった。だが、リベルが本屋へ行きたいと言うのはなんとなく予想していた。
前回の本屋では、とんでもない本を薦められて大変な目に遭った。
だから今回は同じ轍は踏まない!
あらかじめ店員には話しかけて来ないように通達を出している!
本屋へ着くと、さっそくリベルが目を輝かせた。
「アルディス様、こちら新刊です!あ、こっちも!」
「リベルは本当に本が好きなんだな」
「はい! あ、すみません、僕ばかりはしゃいでしまって」
「いや、構わない。お勧めの本や説明は聞いていて楽しい」
そう、リベルと本屋に来てから一気にリベルのテンションが上がり、さっきから一人称も、『私』から『僕』に変わっているのにも気づいていない。素はそっちなんだろう…やはり実際に会うと、知らないことも多いな。
それにしても…
さっきから、この間の店員が俺のことを見てきては、抱えた本をチラチラ見せてくるんだが…
タイトルは、とてもリベルには見せられない…絶対に!
気づかれないように、さり気なく場所を動いてはリベルに見られないようにするのが大変なんだが…
「アルディス様、本屋の方はもう大丈夫です。いくつか購入も出来ました」
「じゃあ、次の場所へ移動しよう」
俺は若干早足で、本屋を出た。
店員の方から視線を感じだが、振り返らなかった…。
「他に行きたいところはないか?」
「いえ、大丈夫です」
「他に行きたいところがなければ、このまま予約している店に行こうと思うのだが、大丈夫か?」
「はい!」
リベルを伴い、俺は予約していた店に向かった。
店は、リベルが気をくれしないように、貴族向ではないが、落ち着いていて、人目を気にせずに話ができる店を選んだ。
「とても良い雰囲気のお店ですね」
「ああ、ここなら落ち着いて、ゆっくり話が出来るだろう。まずは飲み物を頼もうか、リベルはコーヒーか?」
「はい、コーヒーでお願いします」
俺は自分用にミルクティーと、リベル用にコーヒーのブラックを注文した。
「あれから、魔導書を読んでみたんです。そしたら、結構興味深い事が書いてありました」
「リベルが興味深いと言うぐらいだ、是非聞かせてくれ」
そこまで話すと、飲み物が運ばれてきて、俺の前にコーヒーが置かれ、リベルの前にミルクティーが置かれた。
俺は飲み物を交換すると、リベルは苦笑いを浮かべた。
「…魔導書の内容でしたね。簡単に説明すると、魔導書には、今は無いと言うか、使用しない混合魔法について書いてありました」
「混合魔法だって?」
「はい、アルディス様ならご存じだと思いますが、混合魔法は、魔力制御が難しく、魔力の使用量、消費の問題で今は使われていませんし、使える方もいません」
「ああ、そのようだな」
「でも、昔は使用していたようで、いくつかの混合魔法について書いてありました」
「いくつか?組み合わせとかか?」
「はい、成立しやすい組み合わせや、どうやって制御するかなどですね」
「制御方法か…それが分かれば誰でも使えるのか?」
「そうですね、制御に必要な物を手に入れば可能かと思います」
もし、誰でも可能であれば、この世界の魔法の幅が一気に広がるだろう、それこそゲームの様に…。
「制御方法は、ある魔獣の魔石を使うようです」
「魔獣の魔石?特別な魔獣なのか?」
「それなんですが、この本実は上巻と下巻に分かれている様で、魔獣について書いてある部分が下巻になるみたいなんです」
「そうなのか!?それは気づかなかった。…では下巻も探しておこう」
「はい、よろしくお願いします」
そこで一旦昼食も取るとこにした。
リベルはかなりの辛党だった…
「そう言えば、遺跡調査の申請を出しているんだが、取れたら一緒に行こう」
「…!是非お願いします!それまでに遺跡の本読んでおきますね!」
その後、リベルと魔導書についてや、他の本のこと、リベルの事について教えてもらえこともできた。
ゲームでは一部しか知らなかったから実際のリベルに違和感を感じる部分はあったが、それは俺がリベルを良く知らなかったからだろう。
リベルはアルディスと別れた後、アルディスの違和感について考えていた。
「前とは全然違う…本当に…そうなの?…もう少し、話してみないと」
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