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第36話専用武器を作るために

 

「お弟子くん、着いたよ。ここが、私のお友達が経営しているお店だよ」


 そう言って、案内されたお店の外観は一言で表すなら和という言葉がぴったりな木造りの建物だった。


 異世界に来てから、レンガやコンクリートに似た材質で作られた西洋風の建物ばかりだった中出会った和の建物は、日本にいた時は当たり前だったのに。


 この、世界で見ると異質なものに思えてくる。



 ムラサメとお店に入ると、20代くらいの男性が真剣な顔つきで刀を研いでいた。


 男性も、ムラサメとアユム、そして狼モードのフェンの気配に気づいたのか、こちらに振り向いた。


「うん? ムラサメじゃないか。君が、やってくるなんて珍しいな。刀でも、作りに来たのかい」


「いや、今日は私の弟子の刀を作りに来たんだ」


「弟子……君がかい!? たくさんの、弟子志願者に対して、好みじゃないと言い放って切り捨てた……君が弟子を取るなんて」


 そんな、驚きの表情をこちらに向けてくる男性は驚きでずれた眼鏡をかけなおした。


「あんな奴らと、私のお弟子くんを一緒にされると困るな〜〜」


「ご主人様〜ムラサメさん、お顔怖いよ」


「あぁ、まるで般若だな」


 イチャつきたくて、獣人モードになったフェンとアユムがムラサメの後ろでコソコソと話していると。


「お弟子くん……フェンちゃん? なにを、コソコソしてるのかな?」


「えっ、いや。アハハ」


「笑っても、スルーしないよ?」


「……」


 黙ったアユムを見て、ムラサメは愛おしい人を見るような目でアユムを見つめる。


 そして、悪さをしでかした犬を慰めるように頭を撫で始めた。


 なっ!?なんで、いきなり頭を撫でてきてるんだよ!


「やめろよ!」


 そう言って、ムラサメの手を払いのけると。


「あのー、そろそろいいかな? ムラサメに好かれてる君のこともきになるけど。こんな、甘いやり取り見てられないよ」


 我慢の限界がきた男性が、本題を話すように言ってくる。


 そんな、男性にムラサメはアユムを世界中の大会に出場させて経験を積ませたい。


 そのためには、愛刀の一つくらいはあったほうが自信にもなるし、心の支えになるだろうから特注で作って欲しいことを伝えた。


「うーん、特注ですか。高いですよ?」


「なーに、そこは大丈夫だ。それに、足りなければクエストをこなせばいいだけだ」


「まぁ、いいですけど。それには、最低竜種の尻尾とかがいりますけど。持ってるんですか?」


「あぁ、さっきまで氷竜と銀氷龍と戦ってたから、素材はある」


 そう言って、おもむろにアイテムボックスからアユムとフェンが協力して倒した氷竜の素材と。


 あの、逃げる際の攻撃でいつのまにか切り取っていたといえ銀氷龍の爪を店の机の上に広げ始めた。


「これなら、多分大丈夫ですね」


「でも、僕は刀作りに関しては妥協したくないので足りない分の素材は取ってきてもらえますか?」


「だそうだ、お弟子くん」


 えっ?


「ちょっと待て、まさか……」


「私はじめに言ったでしょ? 自分の武器を作るんだから、素材は自分で集めるって」


 そういや、そんなこと言ってたような。


「ちなみに、素材って? どんなのかなって気になったりして」


「あぁ、刀の刃の部分は氷竜の素材で作るんだけど。刀の鞘の部分や、刀の刃以外の部分で使う鉱石類とかを取ってきて欲しいんだ」


「刀の鞘は、そうだなぁ。君の装備にも使われている、ワイバーンでいいかな」


「後は、氷穴鮫(アイスシャーク)の体内にある氷袋や、大量の鉄鉱石。火山岩とかが欲しいかな」


「あまりにも、強い敵だと勝てないからね。ここらへんが、いいラインじゃないかな?」


「まぁ、そこらへんが妥当だな。お弟子くんなら、負けることはない」


「そうと決まれば行ってこい!」


「えっ? ちょっ、待って」


 ◆


「シャアァァーーー!!」


「ぎゃー!!」


 顎が発達した、大きな口を開き噛みつこうとしてきた、大きな四足歩行に尾ひれのついた鮫からアユムは逃げながら悪態をついた。



 あの、クソ師匠!!


 なんで、フェンも連れて行っちゃダメなんだよ。


「えっ? 私が寂しいから連れて行くのダメだよ?」


 じゃ、ねぇよ!!


 俺の命がかかってんだぞ。


 そんな、逃げながら考えごとをしているアユムの背後から前の氷竜の攻撃を思い出させるようなブレスが向かってきた。


 氷穴鮫のブレスは竜の冷気のブレスとは違って、生息している海の海水も含んだ冷水のブレスだ。


 凍りつかせるブレスというよりは、その破壊力で相手の息の根を止める感じだ。


「このやろ!」


 その、ブレスを土魔法で作り出した壁で一瞬とめその隙にブレスの効果範囲から離脱した。


 すぐさま、二つの魔法を同時に展開して炎の大蛇(ファイアースネーク)闇の大蛇(ダークスネーク)で動きを止めつつ攻撃を加えた。


 竜種と戦っていたアユムからすれば、耐久力が無いなと思うほどアッサリと弱った鮫に向かって。


 手と足を返しのある、土の槍で手と足を貫き大地に食い込ませることで、身動きが全く取れない状態にする。


「ブレスは危険だけど、氷竜よりは弱いな」


「さて、殺す前にスキルでも奪っておくか」


 氷穴鮫のスキルを全て強奪しますか?


 Yes/No


 Yesっと、ふーん。


 新しく手に入ったスキルは、氷魔法と水耐性のスキルくらいか。



 ◆


 氷竜と戦った経験からか、途中ワイバーンの空中からの攻撃に苦戦しつつも危なげなく氷穴鮫、ワイバーンと次々討伐採取をしていき。


 ムラサメが設けた日数の半分の日数で全ての素材を集め終わることができた。


「早く帰りたい……もう、戦いたくない」


 獲得してきた、素材を全てアイテムボックスに入れ終えたアユムは愛するフェンのいるの和の国に戻るために歩いてきた道を引き返し帰路についた。


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