第28話アユムの適性武器
「はい、着いたよ! アユム君」
「着いた、じゃねぇよ! 何ふつうにテレポート使ってんだよ!」
「ふふっ、凄いでしょ? 惚れた?」
惚れるかよ。ハァ、ダンジョンから連れ出されてどこに行くんだろうって思ってたら……。
当たり前のように転移魔法のテレポートを使いやがって。
うん?確か転移魔法って王宮魔導師10人の魔力を全て使って一回転移できるだったよな。
てことは、コイツは魔力量も化け物なのか。
「てか、ここどこだよ!」
見渡す限り、木、木、木、木、木、木!!
「えっと、『死の森』だよ? 分からないの?」
死の森……あ?確か危険地域に入っていたやばいところだった気が。
「分からないなら仕方ないなぁ、ここは誰一人として生きて帰っては来れないという、通称死の森。危険レベルSSSの森だよ!」
「よし、一発殴らせろ」
「え! なんで、私なんか悪いことした!?」
「俺をここに連れて来て、どうするつもりだ?」
「え? とりあえず一人でここで生きていけるくらいに、強くなってもらおうと」
「うんうん、それで?」
「それから、剣技を私がじっくりと教えて」
「ここの、魔物の平均の危険レベルは?」
「うん? Sだけど?」
ふざけんな!災害レベルじゃねぇか!
そんなとこで、過ごせって死ねってことなのか!
「じゃあ、とりあえず後ろの子を倒してね」
「は?」
まさか……ハハッ勘弁してくれよ
「また、ミノタウロスかよ!」
「ブモォー!!」
「ブォーッン!!」
あれ?なんかパンチのスピードが遅く感じる、そうか、さっきまでアイツと戦っていたからか。
「ブモォー!!」
「ブンッ! ブンッ!」
「ハハッ、これならいける! チェーンロック」
アユムは、石竜の両手剣を先ほどの戦いで失っているため、魔法だけで戦うことになる。
ミノタウロスの突きをかわしたアユムは、拘束魔法のチェーンロックで、ミノタウロスの足を封じ。
「これで、終わり!」
闇の大蛇と炎の大蛇の上位魔法2つを同時に詠唱し身動きの取れないミノタウロスに放った。
その後に息の根を止めるために無数のウィンドカッターでミノタウロスを切り刻んだ。
「ブ、モォ」
切り刻まれたミノタウロスはその場に倒れた。
「おー、見事だね! だけど攻撃しすぎ! これじゃぁ、せっかくの素材が、台無しだよ」
「悪い、やりすぎた」
「もう、注意してよね!」
「じゃあ、行くよ」
「どこに?」
「私たちの愛の巣よ」
「ファイァー……スネー」
「待って! 待って!」
「冗談よ! 私たちの拠点とする家よ!」
「なら、はやくいえよ」
「それにしても、いきなり魔法使おうとするなんて、あぶないでしょ!」
「何言ってんだ、さほどびびってなかっただろ、どうせくらったところで効果は無かったんだろ?」
「あれ? バレてたか〜〜まぁ、今の君じゃあ私にいくら魔法を放ったところで無意味かな?」
俺のステータスでも勝てないか、やはり甘くはないな。
「じゃあ、これからしばらくは君の実力を見せてもらいながら、基礎をやっていこうか」
「あぁ、わかった」
「そうだ、君得意な武器とか使いたいのある?」
「俺は、両手剣を使ってだけど。別に得意ではないから、アンタに従う」
「アンタじゃなくて、ムラサメって呼んでね! じゃあ、いろんな武器を使ってみようか。私の専門は刀だけど他にも使えるからね」
◆
数日後
「ビュンッ!」
アユムの放った槍の突きは的確に的を貫いた。
「ふぅ、疲れた」
「うーん、お弟子君は刀と槍に適正があるようだね、意外と器用だしスジはいいから。まずは私の得意分野の刀を修行しようか」
「両手剣はダメなのか?」
シンプルに使いやすいんだけど。
「ダメではないんだけどね、どっちかというとまだ怪力スキルだけで振り回してるって感じだからね」
「あと、下半身とかの筋肉が足りなくて攻撃を受け止める時に、押されてるね」
「使うなら肉体を鍛えてしっかりと扱えないと、格上には勝てないよ」
確かに、鍛えたりしてないし。ステータス頼りだからな。意外としっかり俺のことを見てくれてるんだな。
「分かった、刀を一人前に扱えるようにする。だから俺に扱い方を教えてくれ」
「最初からそのつもりだよ。じゃあ、とりあえず君の刀から用意しないとね。ということで魔物を狩りに行こうか」
「え、作るの?」
「当たり前でしょ? 自分で作った方が愛情があって、信頼できるでしょ? それに長い間使うならしっかりとしたのじゃないと」
いきなりの試練だな。
刀を扱う前に刀を作るとは、ここまできたらやるしかないか。




